アルミインテンシブモノコック構造がもたらす俊敏なハンドリング
ジャガー初のクロスオーバーSUVとして登場したFペイス(X761型)ですが、その走りの最大の特徴は、ボディ構造の約80%にアルミニウムを採用した「アルミインテンシブモノコック」にあります。背が高く大柄なSUVであるにもかかわらず、車重が同クラスのライバル車に比べて大幅に軽く抑えられているのです。
実際にステアリングを握って走り出すと、まるでスポーツセダンを運転しているかのような、軽快で雑味のないノーズの入り方に驚かされます。フロントにダブルウィッシュボーン式(高級車に多く採用される剛性の高いサスペンション形式)を採用しているため、日本のタイトな交差点やワインディングロードでも、狙ったラインを正確にトレースできる俊敏さを持ち合わせています。
トルクベクタリングバイブレーキによる高いコーナリング安定性
Fペイスには、コーナリング中の操縦性を高める「トルクベクタリングバイブレーキ」が標準装備されています。これは旋回時に内側の車輪にわずかにブレーキをかけることで、車両が外側に膨らむのを防ぐ電子制御システムです。
速度が乗った状態でタイトなコーナーに進入しても、車体が外側に引っ張られるような不快なロール(傾き)を感じさせず、吸い付くように曲がっていきます。路面をしっかり捉え続けている感覚がドライバーにダイレクトに伝わるため、SUVであることを忘れてしまうほどの高い安心感があるのではないでしょうか?
目次
インジニウム2.0Lディーゼルエンジンと8速ATの協調フィーリング
低回転から力強く湧き上がる扱いやすいパワー
試乗した「20d」に搭載されるパワーユニットは、ジャガー・ランドローバー自社開発の2.0L直列4気筒「インジニウム(Ingenium)」クリーンディーゼルエンジンです。
ディーゼル特有のカラカラとした作動音は車内では徹底的に遮音されており、非常に静かです。特筆すべきは、1,750回転という極めて低い領域から最大トルクを発生させる実用域の扱いやすさです。日本のストップ&ゴーが多い都市部でも、アクセルペダルをほんの少し踏み込むだけで、巨体を滑らかに、そして力強く前へと押し進めてくれます。高速道路の合流や追い越し加速でもストレスを感じる場面は皆無です。
歯切れが良く滑らかなZF製8速ATの制御
このインジニウムエンジンに組み合わされるZF製の8速オートマチックトランスミッションは、ダイレクト感と快適性を極めて高い次元で両立しています。
多段化されたギヤ比により、エンジンの最も効率が良い美味しい回転域を常にキープし、変速時のショックをほとんど感じさせません。ドライブモードを「ダイナミック」に切り替えれば、シフトパドルを引いた瞬間に電撃的なスピードで変速を完了し、高回転までギヤを引っ張る刺激的な特性へと変化。日常の街乗りからスポーティな走りまで幅広くカバーする完成度の高さを誇ります。
日本の公道環境で体感するブリティッシュ・プレミアムのリアル
引き締まった足回りと上質なグランドツーリング性能
Fペイスの乗り味は、欧州のスポーツモデルらしく、基本的には適度な硬さを持った芯のあるセッティングです。路面の凹凸を綺麗にいなしつつも、タイヤが今どういう状況にあるかというロードインフォメーションを正確にドライバーに伝えてくれます。
大径ホイールによる路面からの微細なコツコツ感は拾うものの、段差を越えた際の車体の揺れの収束がピタリと一発で収まる心地よさは、一級品の仕上がりです。高速道路でのレーンチェンジやハイスピード巡航時の直進安定性はクラストップレベルであり、ステアリングの微修正がほとんど不要なため、ロングドライブでもドライバーが疲れることはありません。
日常の使い勝手と走る歓びの絶妙なバランス
クロスオーバーSUVとしての高い実用性を確保しながら、ジャガーのDNAである「ピュアスポーツ」の熱い情熱が色濃く同居しているのが、このFペイスというクルマです。美しいスタイリングの中に、広いラゲッジスペースと極上のハンドリングが高次元で融合された、乗るたびに移動の本質を楽しめる一台と言えます。
ジャガーならではの俊敏なスポーツハンドリングと、インジニウムエンジンの滑らかな加速を長く維持するための日常点検や不具合のご確認は、お近くの[輸入車メンテナンスサービス]へご相談ください。







