メルセデス・ベンツ

オーナーが知っておくべき3つのトラブルサイン【Mercedes-Benz】

国産車からの乗り替えなど、輸入車にあまり詳しくない人に聞くと「ガイシャは壊れて大変」という声が多い一方、輸入車一筋というユーザーからは「意味不明な壊れ方はしないよ」と言われることが多いです。いったいこの違いは何なのでしょうか。この記事では輸入車オーナーとして知っておきたい3つのトラブルサインを紹介します。

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目次

クルマの異変で気づきやすいのが「異音」。チェックポイントとして覚えておきたいのは、どこから、どんな音がするかである。加えて、走行中なのか、または停車中なのかによって予測されるトラブル個所は変わってくる。それを確認したら、今度はエンジンの回転数に比例するかどうかをチェックしたい。いくつかありがちな例を挙げておこう。
エンジンの回転に合わせるように音が大きくなったり、小さくなったりする場合は、ベルトやテンショナーの不良によるキュルキュルという音である可能性が高い。アクセルを開けたときに音の感覚が短くなる場合は、ウォーターポンプやオルタネーターなどのベアリングから発生していると考えられる。
走行中のスピードによって変化する音の場合、足回りのパーツの劣化が怪しいサスアームやブッシュ、ボールジョイント、ハブベアリング、デフなどの原因はいろいろと考えられるが、そんな時はどこから音がするかと音の種類で予測するようにしたい。
もちろんそのほかにもエアコンをONにしたときだけ音が出るケールもある。エンジンルームから聞こえるならコンプレッサー周辺が怪しいし、室内に水が流れるような音がするならヒーターバルブの固着ということも考えられる。
もし、これらの症状を放置すれば今以上に悪化してしまうかもしれないし、ベルトが脱着すれば路上ストップの危険性もある。異音が出たら早めに点検するのが大切なのだ。

ダッシュボードの奥からカラカラと音が出るケースは少なくない。例えば、ブロアファンユニットの劣化が原因かもしれない。

走行中に[コツコツ…]という打音系の音がして、でも床を叩く感じではないというならば、足回りパーツの劣化が怪しい。ステアリングを切ったときに出る異音はボールジョイントである可能性が高い。

ブレーキング時の「ゴトゴト…」という音はロアアームブッシュ、走行中に常に「キューキュー」という音が出るならスタビブッシュというように、クルマの揺れに伴う音はブッシュの劣化が多い。

ハブベアリングが原因の「ゴー」という重々しい連続音は、速度の変化にあまり関係なく聞こえてくる。タイヤの劣化やデフの不具合と混同しやすい箇所でもある。

クルマの揺れではなく走行中にスピードによって音が変化するがブレーキの引きずり。ブレーキローターの錆やキャリパーのピストンが固着している可能性が高い。早めの対策が必要だ。

「カラカラ…」という異音は触媒の劣化が多いが、それ以外にもクルマの揺れに伴い、床下を「コツコツ…」と叩くような音を発生することもある。マフラーバンドや取り付け部の緩みが原因だ。

エアコンをONにしたときだけエンジンルームから異音がする場合はコンプレサー周辺が怪しい。原因はコンプレッサーのクラッチやベアリングなど様々なケースが考えられる。

冷却ファンがクランクプーリーで駆動されたエンジンの場合、ファンカップリングにガタが出て異音が出る。エンジンマウントが劣化してシュラウドの位置が下がりファンと接触することも。

ステアリングを切った時「キー」という大きな音がしたらパワステフルードが不足しているかもしれない。そのまま放置するとパワステポンプの焼きつきにも繋がるので早めにフルードを足しておこう。

「ヒュンヒュン…」「キュルキュル…」など症状によって出る音は異なるのだが、エンジンの回転に比例しているのならベルトやテンショナーの不良が考えられる。放っておくとベルトが切れてしまう。

下回りから「ゴー」という音はハブベアリングにありがちだが、原因がハブでなければデフの異常が予想される。デフはオイル漏れが定番だが、オーバーホールに至るケースは少ない。

冷間時にエンジンルームから「カチャカチャ…」というタペット音が出たら調整が必要。そのまま使い続けてカム山にキズが付いたら費用は高額になる。金属の打音はかなり危険な状態だ。

足回り付近からの異音の原因が、ハブベアリングでもデフでもなく、さらにサスアーム類でもない場合、実はタイヤが原因であることも。判別は難しいが頭の片隅に入れておこう。

運転中に振動が出たら何らかの不具合が起きている可能性が高い。最も多いのはエンジンマウントやミッションマウントなどゴムマウントの劣化によるもの。交換すると驚くほど静かになるからこのゴムマウントがどれほど重要かが分かる。
停車中にATをDレンジに入れた時下回りから大きな振動が響く場合、ディスクジョイントの劣化が疑わしい。これを放置すると走行中の振動にも繋がるから早めの対策が必要だ。エンジンに不具合が起きて振動が出るケールもある。
例えば、イグニッションコイルやプラグなど点火系パーツの不良だ。1つでもコイルがダメになるとアイドリング中にかなり大きな振動が出るようになるからここは比較的分かりやすいポイント。点火系に問題がなければ燃料系パーツが劣化している可能性が高い。ポンプやアキュームレーターのパンクなどによりアイドリングがおかしくなり振動を感じるのだ。定期的に消耗品を交換していればあまり発生しないが、劣化を放置しているクルマに多い事例である。振動は大きくなるほど不快だし、クルマにとっての悪影響も大きい。振動を察知したら修理工場で早めにチェックだ。

エンジンを支えるゴムマウントが劣化すると室内やステアリングを伝っての振動が大きくなる。放置しておくと不快に感じるほどに。

静かだったはずの室内にまで振動を感じるようになったらエンジンマウントなどのゴムマウントが劣化している。劣化したマウントを比較すれば、新品に比べかなり潰れているのが確認できるはず。

停車中にATをDレンジに入れたときにドーンという振動を感じたらディスクジョイントが劣化している。またトルクコンバーターに異常が起きるとマウントでは支えられないほどの振動が出ることも。

振動の原因はゴムマウントだけではない。イグニッションコイルやプラグなど点火系パーツの不具合によって振動が発生することもあるのだ。アイドリング不調が同時に起きるケースがほとんど。

エンジン不調により振動が点火系でない場合。燃料ポンプやアキュームレーター、フィルターの目詰まりなどが原因であることも。交換時期を迎えているポンプはエンジン不調の原因になる。

意外に放置されがちなのが燃料の出口であるインジェクター。ここがダメではいくらポンプなどを交換しても意味はない。単体での洗浄も可能なのでしっかりと手を入れておきたい。

ホイールバランスが崩れることでタイヤが片減りしてしまい、それを走行中の振動として感じることがある。速度に応じて一定の振動が出ているときは疑いたいポイントだ。

主な異臭の原因になるのが、ガソリン、オイル、冷却水、エアコンだ。その中で最も怖いのがガソリン漏れ。どこから漏れていてもかなり危険な状態なのでガソリン臭を感じたら即修理工場行きだ。燃料タンクすぐそばのトランクの下と、エンジンルームの中が燃料漏れが発生しやすい部分。オイル漏れは気にしていても燃料漏れには気づかない人が多いので、目で見て鼻で確認することが大切だ。また、エンジンルームからオイルが焼けたような匂いがするときがある。それはヘッドカバーパッキンなどから漏れたオイルが高温になったエキゾーストマニホールドに付着している可能性が高い。ガソリン同様、車両火災に繋がる危険な状態なので、ゴムパッキンの交換などを早急に行わなければならない。室内に冷却水が侵入して助手席のフロアが水浸しになることもある。冷却水の匂いがいまいち分からないのであれば、エンジンが冷えているときにラジエターキャップの匂いを嗅いで確認するといいだろう。エアコンからの異臭はエバポレーターのカビが原因。エアコンシステムをバラシて交換する必要があるなど、作業は大がかりになる。

ガソリン臭がする場合、ポンプやホースなど様々な原因が考えられる。ガソリン漏れを起こしていると非常に危険なので無理にクルマを動かさずにプロの判断に従うこと。

燃料ホースとジョイント金具のかしめ部分や、ホースとライン、燃料ポンプや燃料フィルターなどとの接続部からにじみ出すように漏れる。

エアコンから出る風が臭いのはエバポレーターなどの内部パーツにカビが発生しているのが原因。根本的に直すなら交換するしかない。

ヘッドカバーパッキンからオイルが漏れ出して、高温になったエキマニに付着するとオイルが焼けたような匂いと煙が発生する。

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