フォルクスワーゲン

知って納得! ブレーキパッドとローターのメンテナンス

フォルクスワーゲンに限らず、クルマの基本メンテナンスのひとつがブレーキ回り。重要保安部品だけに絶対に手を抜けない部分ですが、各パーツの役割や構造を知っておくと、メンテナンスの重要性が見えてきます。また、車検でもチェックされる部分のひとつ。ここでは、ブレーキ回りのメンテナンスについて紹介します。

目次

ブレーキのメンテナンスは基本的なことなので知らない人はいないと思うが、それぞれの役割や構造を知っておくとなぜ交換が必要なのかがよく分かる。
まずブレーキ系統がどのように作動してクルマを止めているのかというと、ブレーキペダルを踏むことで、マスターシリンダーによって押し出されたブレーキフルードが、ブレーキキャリパーのピストンを押し出して、ブレーキパッドがローターを押し付けることによる摩擦の力でクルマを止める。ドイツ車に限らず輸入車の場合は、ブレーキパッドだけではなくローターも削りながら高い制動力を得ているのである。
そんなブレーキ系統で最初に手を入れる部分と言えば、消耗品であるブレーキパッドとローターの交換だろう。多くのユーザーがブレーキダストがひどくてホイールが汚れやすいと口にするが、それは高い制動力に対する代償と考えるべきだ。
ブレーキパッドの材料として使用されるのは、アラミド繊維、スチール繊維、非鉄金属繊維、鉱物系繊維、セラミック繊維など。これらを「基材」と呼ばれるベースとしている。一般的には「レジン系」と呼ばれるアスベストの代替素材をフェノール樹脂で焼き固めた製法が使用されているが、一部のレーシングカーなどは耐熱性能が非常に高い焼結材を用いている。
ダストの原因となるのは、スチール系繊維などの固くローターを削ってしまう材料で、これを多く含むほど制動力が高くフェードに強い特性となる。高速からのフルブレーキングといった状況でも、停止状態まで最高レベルの安定した制動力を発揮できるよう、純正のパッドにも高いブレーキ性能を与えているドイツ車。ダストが多いのはその代償と言うことができる。例えば、汚れの少ない社外のパッドはそのパフォーマンスを犠牲にして、国産車に近い成分で構成されているということになるので、ある程度の性能低下を覚悟する必要があるわけだ。
ブレーキパッドにはセンサーが備わっており規定よりも減ってくると警告灯が点灯する。もっとも、1年点検や車検時に交換することが多いので放置することはないと思うが、構造から考えてみても定期的に交換しなければならないのが分かる。

ブレーキローターにサビが発生したら
研磨しておくこと

ブレーキローターは、パッドとともに削れていくので、パッド2回の交換に対して1回の交換サイクルとなる。注意したいのは、雨などによってブレーキローターが錆びてしまうこと。ブレーキパッドが密着する部分は錆びの進行が遅くなるため、ローター表面が段付き錆びとなってしまうのだ。ひどくなってくるとブレーキを踏んだときに異音を発生させてしまう。錆びが発生したローターは研磨しておくことである程度寿命を延ばすこともできる。もちろん減ったローターを使い続けるのは危険なので、定期的にプロに点検してもらって適切な時期に交換するよう心がけたい。
油圧経路となるブレーキラインのホースも消耗品だ。劣化したブレーキホースは硬化してしまい、亀裂が入ってしまうこともある。劣化したホースをカットしてみると、ホース自体は何重にもなっていてカッターを使って切るにも苦労するほど頑丈にできている。それだけ高い油圧がホースにはかかっているということなのだろう。そのため劣化したホースを使い続けるとホースの一部が膨らんでしまうこともあるのだ。ホースからブレーキフルードが漏れ出せば非常に危険なので、ここも定期的に点検しておかなければならない。
見逃しがちなのが、ブレーキフルード。これは2年、または1年に一回交換するのが基本だ。ブレーキフルードは吸湿性の高い合成油を使用しており、主成分はグリコールエーテル。これは非常に高い沸点と低温時でも高い流動性を持っている。つまり、高温になっても沸騰しにくく、かつ低温でも水のようにサラサラとしているのが特徴だ。もしフルードを水とするなら高温になれば沸騰してしまうし、真冬には凍結してしまう。エンジンオイルのようなものであれば粘度が高すぎて適切な制動力を発揮できない。低温でも高温でも一定の油圧を生み出せるのが、このグリコールエーテルなのである。
しかし、吸湿性が高いのが弱点。長期間使用したブレーキフルードは吸湿性が高いことから徐々に劣化が進む。また、金属パイプを多用するブレーキラインは劣化したフルードを使い続けることで錆びが発生する。キャリパー本体やピストンが錆びに侵され作動不良を起こす可能性が高くなるのだ。
定期的に交換されているブレーキフルードはオリーブオイルのような色をしているが、劣化したオイルは真っ黒になってしまう。長くこの状態を放置してきたクルマは、ブレーキラインも汚れているため何度もフラッシングをしないとキレイにならなかったという話を、修理工場で聞いたことがある。
ブレーキフルードを定期的に交換しなければならないのは、こうした理由があるからだ。ブレーキフルードにはDOT3、DOT4といったようにクルマによって指定の規格があるので、必ず指定以上のものを使うこと。グレードが異なるフルードを混ぜると、グレードが低い方の性能になってしまうので混ぜるのはNGだ。

ブレーキパッド交換の際にはディスクローターの状態もチェックしておくこと。パッド交換2回に対して1回が交換の目安となっている。
ブレーキホースは、かしめ部分から漏れることが多い。にじみ程度であってもプロの点検を受けて交換しておく必要がある。

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