ボルボ V40(MB/MD型)でガソリン臭・始動不良が起きる原因
ダウンサイジング直噴ターボ「Drive-E」と高圧燃料噴射の仕組み
スタイリッシュな5ドアハッチバックとして街中でよく見かけるボルボ V40(MB/MD型・T3/T4/T5などのガソリン車)。
排気ガスをキレイにしながら力強く走るために、ガソリンを細かい霧状にして直接シリンダーへ吹き込む「直噴エンジン」が使われています。エンジンの上側(シリンダーヘッドの奥)には、エンジンの回転を利用して動く「直噴高圧フューエルポンプ」がついています。ガソリンタンクから送られてきた燃料を、約150〜200barというものすごい高圧までギュッと押し縮めてインジェクターへ届ける、とても大切な部品です。
10年経過で進む内部シールの硬化とガソリンのにじみ出し
V40で「走っているときや止まっているときにガソリン臭い」「朝一番のエンジンのかかりが悪い」というトラブルが起きる最大の原因は、この高圧ポンプの中にあるパッキン(シール)の劣化です。
高圧ポンプはエンジンの真上に直接くっついているため、走るたびにエンジンの強烈な熱を受け続けます。さらに、ものすごく高い燃料の圧力が常にかかり続けるため、10年前後が経過した車では内部のゴムシールがカチカチに硬くなってしまいます。隙間からガソリンが外へじわじわと滲み出たり、最悪の場合はエンジンオイルの中にガソリンが混ざり込んでしまう危険なトラブルを引き起こすのです!
| 故障の主な原因 | トラブルの具体的な内容 | 効果的な対応策 |
| 高圧ポンプシールの劣化 | ポンプ本体の隙間からガソリンが滲み出てエンジンルーム内に異臭 | 高圧フューエルポンプAssyの新品交換 |
| 内部の摩耗による燃圧不足 | ガソリンを十分に押し出せず、加速の息継ぎや始動不良が発生 | 高圧ポンプ交換およびタペットローラー点検 |
| 燃料レール圧力センサーの誤検知 | 燃圧の乱れを拾ってメーターにエンジン警告灯が点灯 | 汎用スキャンツールによる実測データ確認 |
目次
車両火災を防ぐ前兆サインと症例カルテ
【ケース|ボルボ V40 T3 モメンタム MB4154T 2016年式】
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症状:朝エンジンをかけるときに「キュルキュル」とセルが回る時間が長くなり、エアコンの外気導入口からツンと鼻をつくガソリンの生臭い匂いがしてきた。
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診断結果:シリンダーヘッド奥にある直噴高圧フューエルポンプのプランジャー軸受け部からガソリンが滲み出ているのを確認。
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DTCコード:P008700(フューエルレール/システム圧力過低)
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処置内容:対策版直噴高圧フューエルポンプAssy新品交換、高圧パイプ同時交換、信頼できる整備工場にて汎用スキャンツールを用いた燃料レール圧力のライブデータ確認。
エアコンからのガソリン異臭とセルの回りすぎ
高圧ポンプからの燃料漏れが始まったばかりの頃は、滲み出たガソリンがエンジンの熱ですぐに乾いてしまうため、地面に垂れてこず発見が遅れがちです。
ですが、車を降りた瞬間や、エアコンを外気取り入れにして信号待ちをしているときに「かすかにガソリンの匂い」が漂ってきたら要注意のサインです!また、燃料の通り道の圧力が途中で抜けてしまうため、キーを回したときにエンジンがかかるまで時間がかかるようになります。ガソリンの漏れは放っておくと火災の危険もある重大なトラブルですので、少しでも匂いを感じたら決してそのまま乗り続けてはいけません。
高額修理を防ぐ予防整備とデジタルチェックの例
高圧パイプの同時交換とエンジンオイルのチェック
愛車に安心して乗り続けるためには、ガソリン臭さやにじみに気づいた初期の段階でしっかり手を入れることが大切です。
高圧ポンプを交換するときは、一度外したら再利用できない金属製の「高圧燃料パイプ」もセットで新品に交換するのが整備の鉄則です。また、ポンプの内部シールが傷んでいると、滲み出たガソリンがエンジンオイルに混ざってオイルをシャバシャバに薄めてしまっていることがあります。そのため、ポンプを替えるときはエンジンオイルとオイルフィルターも一緒にリフレッシュしておくと安心ですね。なお、修理にかかる費用は部品代や作業内容によって前後しますが、「数万円〜十数万円程度」がおおよその目安です。事前に信頼できる専門店へ確認してみましょう。
信頼できる整備工場でのスキャンツール燃圧チェック
ポンプを取り付けた後は、ガソリンの圧力がきちんと基準値まで上がっているかをデジタルチェックします。
ボルボの直噴システム点検は、特別な専用設備がなくても、市販の汎用スキャンツール(多機能診断機)を備えた信頼できる整備工場で十分対応してもらえるでしょう。
プロの整備士に汎用スキャンツールをOBD2ポートへ繋いでもらい、診断機の画面で「燃料レール実圧」を確認します。アイドリング中やアクセルを軽く踏み込んだときに、目標の圧力までスムーズに数字が立ち上がっているかを確かめてもらうことで、作業後の安心感も格段に高まることでしょう。愛車からガソリンの匂いがしたりエンジンのかかりが悪くなったら、信頼できる近くの整備工場へ早めに相談してみてはいかがでしょうか?








