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「センサー故障」は“症状”ではなく“警告”です
Volvo車は、最新モデルに至るまで高精度な電子制御技術が搭載されており、各種センサーによる情報の収集・管理が走行の安全と快適性を大きく左右します。
たとえば以下のようなシステムに、複数のセンサーが関与しています:
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エンジン制御(吸気圧、冷却水温、ノックセンサーなど)
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安全支援システム(レーンキープ、衝突回避支援、ブラインドスポットモニターなど)
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パワートレイン制御(ミッション制御用センサー、スピードセンサー)
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A/C・内装設備(内外気温センサー、日射センサー、車内湿度センサー)
これらのいずれかが故障すると、「チェックランプ点灯」「異常な挙動」「一部機能の停止」などが起こる可能性がありますが、見た目では原因がわかりにくいため、適切な診断機器による解析が不可欠です。
よくあるセンサー系トラブルとその兆候
症状例 | 想定されるセンサー故障 |
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アイドリングが不安定/エンストする | スロットルポジションセンサー、MAPセンサー |
警告灯が頻繁に点灯/消灯を繰り返す | ABSセンサー、ブレーキパッド摩耗センサー |
ACCやレーンアシストが動作しない | レーダーセンサー、カメラユニット |
A/Cの温度制御が効かない/外気温が異常表示 | 外気温センサー、日射センサー |
特にV40/XC60/S60シリーズ(2010年代〜)では、気温センサー不良によるA/C誤作動、ホイールスピードセンサーの故障でABS/ESC警告灯が点灯するケースがよく見られます。
「DIYで交換できる?」「部品は高い?」現場の実例紹介
たとえば、外気温センサーの不良は、走行中に「−40℃」などと異常表示される症状でよく発見されます。このセンサーはフロントバンパー裏やミラーハウジング内に設置されているため、比較的安価(部品代5,000円前後)でDIY交換も可能です。
一方で、スロットルセンサーやホイールスピードセンサーの交換には、専用診断機による初期化/学習作業が必要な場合も多く、DIYでは対処が難しい領域。こうしたケースでは、的確な診断ができる整備工場への依頼が安全です。
「センサーの不具合=劣化」とは限らない
センサー故障の原因は以下のように多岐にわたります:
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経年劣化による内部断線や接点不良
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雨水や結露による腐食
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配線断線やカプラーの緩み
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ECU側の異常による“誤認識”
つまり、センサーを交換しても直らないケースもあり、「診断と整備の精度」=「費用対効果」に直結します。
不安なまま乗り続けないために|整備の“セカンドオピニオン”を!そしてまた、センサー故障が引き金となって、車両本来の性能を損なう前に、正しい診断と対処を。