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クルマの内装を守る方法

長くドイツ車に乗っていると、内装の傷みが目立ってきます。もちろん、扱い方や保管環境によってコンディションは変わってきますが、新車から10年以上が経過してくると、気になるところも出てくるはず。この記事では劣化のメカニズムを解説しながら、少しでも劣化を抑えるコツを紹介します。

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クルマの経年劣化は環境に左右されやすい。分かりやすい事例をひとつ挙げると、ボディにとって最大の敵であるサビが発生しそのまま放置すれば、最終的にボロボロになってしまう。なぜサビが発生するのかといえば酸化してしまうからで、地球上にはその酸素がたくさんある。ボディに深い傷を付けてしまったらすぐに補修しなければならないというのは、こういった理由からだ。ボディにサビを発生させないために必要なこと、つまり剥き出しになってしまった鉄板を塗装によって保護することが、ボディを守るためには一番の対処方法になるということだ。
では内装における最大の敵とは何かといえば、紫外線と熱である。基本的にどこにいても紫外線は浴びてしまうものであり、気温が高くなるほど熱の影響も受けやすくなる。この環境から抜け出すことはできないので、なるべく紫外線や熱を避けることが内装にとってもっとも重要なことなのだ。そしてそのメカニズムを知ることで、劣化を遅らせるためにすべきことが見えてくる。
まず、紫外線の正体とはいったい何か。夏になるとよく聞く言葉だが、夏にだけ紫外線が出ているわけではない。太陽光線には赤外線、可視光線、そして紫外線が含まれている。さらに紫外線は3つに分けられ、A波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)となっている。このうちC波はオゾン層で吸収されるため、我々が普段から浴びている紫外線はA波とB波の一部ということになる。日焼けをして皮膚が黒くなるのはB波で身体にも悪影響を与える。A波は危険性が一番少ないが、B波同様なるべく避けたほうが良いと言われている。
この紫外線が車内にも侵入しているということが分かる事例が、真夏にサイドウインドー側の腕が日焼けしてしまうこと。経験した人も多いと思うが前述したように日焼けするのは紫外線の影響なので、車内にも確実に紫外線が侵入しているということになる。そのため直射日光が当たりやすいダッシュボードはとくにその影響が大きく、退色してしまったり、柔軟性がなくなり亀裂が入ってしまうこともある。ダッシュボードが劣化していく速度は、長い目で見れば日常的に浴びる紫外線量に大きく影響されるということなのだ。
また太陽光線に含まれる赤外線も侮ってはいけない。直射日光を浴びているとジリジリと暑く感じるのは赤外線の影響であり、この熱がダッシュボードを傷める原因になる。真夏ほど内装パーツが傷みやすいというのは、赤外線だけでなく紫外線の量も多くなるためだ。
ダッシュボードの劣化を遅らせる方法として手軽なのはサンシェードやカーカバーで、紫外線を避けることが一番の目的になる。さらにダッシュボードが劣化しやすいクルマでは、社外のダッシュボードカバーが販売されているので、これを装着するのも有効な手段だと言える。

青系のダッシュボードでもガレージなどで大切に保管されてきたクルマは新品のような艶を残している。劣化の速度は環境や扱い方で変わる。
直射日光が当たりやすいダッシュボードを守るのに有効なのがサンシェード。これによって5年、10年先の状況が変わってくるのだ。手軽な対処法のひとつといえる。

ダッシュボードやウッドパネルは
リペアを活用して補修する

内装パーツは交換頻度が少ないこともあって新品を購入しようと思うと高価。低年式のクルマほど部品自体が供給されていないケースが多い。そのため中古品の需要が高く、当然ながらコンディションが良いものほど高くなる。ワンオフで作り直すという手もあるが、その費用は決して安いものではない。
そんなときに活用したいのがリペアである。その補修内容は大きく分けて部分修理と全体の張り替えの2つ。もっともリーズナブルなのが、割れてしまったり、亀裂が入ってしまったところを部分的に修理する方法。多少の修理跡は残るが、元の状態に比べれば歴然の差だ。ただし、劣化がひどいものについては部分修理では解決できないこともあるので、このあたりは費用も含めて、リペア業者とよく相談する必要がある。
完璧な補修をするなら、ダッシュボードを外してFRPなどで成型し直して張り替えるという方法。表面のシボの感じが変わってしまうが、耐久性は高い。これを機会にドアの内張りも含めてイメージチェンジしてみるのも面白いだろう。アルカンタラを使って高級仕様にするなど、自分好みにアレンジできる楽しさがある。
長期的に紫外線や熱を浴びると、ダッシュボードだけでなくウッドパネルにも悪影響を与えてしまう。ウッドパネルは白く変色してしまったり、クリア部分にクラックが入ってしまうことが多い。ウッドパネルのリペアはコンディションによって作業内容が変わる。軽度なクリア部分のクラックなら、塗装部分をキレイに除去して再びクリアを吹いて補修する。状態がひどい場合はスライス状になったウッドを張り替える必要がある。下地を作ることも大切な作業だが、これにスライス状のウッドを張るというのも重要なポイントになっている。
新品のウッドパネルが供給されているクルマであれば、それに替えるというのも手だが、一つだけ新品になると全体的なバランスが崩れるのも事実。例えばシフト回りは新品の艶があるが、センターパネルがそのままという状況になってしまう。リペア業者の中にはリコンディショニングという全体のバランスをふまえた補修を行なってくれるところがある。趣味で乗っているクルマなら、こういった細かな部分にも配慮してみるのもこだわりを表現する一つの手法ではないだろうか。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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ウッドパネルの劣化がひどくなってくると写真のように変色してしまうことがある。こうなるとウッド部分の張り替えが必要になってしまう。

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