Peugeot / Citroën

電装系のエラー表示、どう向き合う?

― Peugeot / Citroënオーナーのための対策ガイド ―

「突然の警告ランプ」に振り回されていませんか?

PeugeotやCitroënといったStellantis系の欧州車に乗っていると、「SERVICE」「ESP/ASR異常」「バッテリー管理異常」など、一見深刻に見える電装系のエラー表示に出くわすことは少なくありません。
ところが実際には、センサーの信号不良や一時的な電圧低下など、必ずしも重大な故障とは限らないケースも多いのが実情です。

しかし、それをユーザーが見極めるのは極めて難しい——
「このまま走っても大丈夫なの?」「またディーラーに高額修理を勧められるのでは?」と不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。

目次

診断アドバイス事例から一部抜粋

エラー表示 主な原因 対応例
SERVICE(サービス) 総合警告/電装系全般 一時的なバッテリー電圧低下やヒューズ関連も
ESP/ASR異常 車両安定制御機能の異常 ABSセンサーの汚れや電気接点不良が原因の場合も
バッテリーマネジメント異常 電圧管理異常 補器バッテリーの劣化、アイドリングストップ系統との関連
リモートキー認識失敗 キー電池切れ/BCM(車両制御モジュール)の信号遅延 キー電池交換で解決することも多い

このように、誤作動や軽微な信号異常が発端であるケースも多く、症状と本質的な故障の間には乖離があります。
ディーラーで「モジュール交換」と言われても、実際はハーネス点検や端子清掃で済むこともあります。

多くの輸入車オーナーが悩まされるのは、「エラー表示はあるが、症状が再現しない」「ディーラーでは再現できず、様子見に」というパターン。
そのまま走行に支障がないこともあれば、じわじわと重大なトラブルへ進行していた…という事例も少なくありません

工場の実例では、以下のようなケースが報告されています:

  • ヒーター系統エラー → 実は電動ウォーターポンプの不規則作動

  • マルチファンクションディスプレイの瞬間ブラックアウト → CAN配線の接触不良

  • バッテリーエラー → サブバッテリーとDC-DCコンバータの断続的断線

一時的に消えても安心せず、履歴に残るエラーコードの解析が重要なのです。

対策①:まずは「記録」をとる

電装系トラブルの多くは、発生したタイミングの「車の状態」がヒントになります。

  • エラー表示の前後でエアコンやライトを使っていた?

  • 雨天や寒暖差の激しい日だった?

  • 高速走行直後だった?

これらを記録しておくことで、整備士が電装負荷のパターンや電圧の揺らぎを追いやすくなります。
ユーザー側の「メモ」が診断精度を高めることに繋がるのです。

対策②:安易なバッテリー交換は慎重に

「電装系異常=バッテリー交換」と言われがちですが、根本原因を見極めずにバッテリーを交換しても症状が再発することが多々あります。
本当に必要なのは、診断機でのライブデータ確認と、BCMやBMSなど周辺制御ユニットとの関連解析です。

「高くつく前に相談できる場所」がある安心

ディーラー任せ、ネット検索頼み、という不安定な対応ではなく、点検+判断+提案ができる整備士とつながっておくことが、今後ますます重要になります。

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