~放置するとトラブルの元。EGRの仕組みと正しい対処法~
輸入車に乗っていると、時折耳にする「EGRバルブの詰まり」や「加速不良」「警告灯点灯」といったトラブル。
その原因のひとつに挙げられるのが、**排気ガス再循環装置(EGR)**です。
このレポートでは、EGRシステムの役割や不調の兆候、整備現場での対応事例を交えて、EGRの重要性をわかりやすく解説。
目次
●EGRってどんな仕組み?
EGR(Exhaust Gas Recirculation)は、排気ガスの一部を吸気側に戻して再燃焼させる装置です。燃焼温度を下げ、窒素酸化物(NOx)の排出を抑える環境技術として、ほとんどのディーゼル・ガソリン輸入車に標準搭載されています。
輸入車のEGR構造は複雑化
BMWやAudi、Mercedes-Benzなど欧州車では、EGRバルブ+EGRクーラーといった冷却機能付きの構造が多く、センサーや電子制御も加わることでトラブル時の判断が難しくなっています。
●どんな不具合が起きる?
EGR関連のトラブルは年式・走行距離に関わらず発生し、気づかないうちに症状が進行するのが特徴です。
よくある症状例:
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エンジンチェックランプ(MIL)点灯
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アイドリング不安定/回転数のばらつき
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加速時の息継ぎやパワーダウン
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燃費の悪化
【実例紹介:海外フォーラムより】
「VW Passatで加速が鈍くなったため診断を依頼。EGRバルブのカーボン詰まりが原因で、専用洗浄と学習リセットで改善した。」(走行距離 約7.5万km/UK)
●DIYではなく、整備工場での対応が前提
EGRの清掃・修理には、特殊工具と専用診断機が不可欠です。また、EGR以外にもセンサーや吸気系が同時に影響しているケースも多く、原因の切り分けが非常に難しいため、DIYでの対応は推奨できません。
▼専門整備のメリット
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車両別の最適な清掃手順と診断が可能
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学習リセット・エラークリアなどの電子制御にも対応
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清掃だけでなく、交換が必要かどうかの判断も確実
●まとめ:EGRは「放っておけない部品」の代表格
排ガスを再利用するこの装置は、エンジン内部で日々多大な負荷にさらされています。
不調のサインに早く気づいて、信頼できるプロに診てもらうことが何よりの対策です。
部品情報
EGR関連部品の交換参考情報
部品名 | 内容 | 一般的な交換目安(工賃込) |
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EGRバルブ | 電動制御/真空制御式 | 約35,000~90,000円 |
EGRクーラー | 排ガス冷却用ユニット | 約60,000~120,000円 |
関連ガスケット類 | シール部品 | 約5,000~10,000円 |
※価格は車種・年式により変動あり。交換前に見積取得を推奨。