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輸入車で増える「ABS警告灯の点灯」――見逃せないサインと整備の重要性

—安全装置の異常を放置しないために—

 なぜ今、ABS警告灯が話題に?

最近、ブレーキ関連の警告灯が突然点灯し、不安を感じたという輸入車オーナーからの相談が増えています。なかでも「ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)」に関する点灯は、安全装置の異常を知らせる重要なサイン。放置してしまうと、急ブレーキ時の制御力低下や車両安定性への悪影響が懸念されます。

目次

  • 雨上がりや湿気の多い日に警告灯がついた

  • 朝エンジンをかけた直後に点灯し、そのまま消えない

  • ブレーキ操作をきっかけに表示されるようになった

一見ランダムなようでいて、実はセンサーや接点の経年劣化、外的要因(気温変化・湿気・路面塩分)などが密接に関係しています。

警告灯の背後には複数の技術的要因が考えられます。整備現場では以下のような点を中心に点検が行われます。

  • 車輪の回転を監視するセンサーの不具合
     → 接触不良、センサーの断線、汚れの付着など

  • ブレーキ周辺部品の摩耗や劣化
     → 回転検知に必要な精度が確保できないケース

  • 車両制御ユニットの内部故障
     → はんだ割れや通信エラーなど、外観から判断できない不具合

  • ヒューズ・配線・接点の問題
     → 振動や湿気による断続的な導通不良

こうした異常は、専用の診断機器や実車での走行確認を通

「一時的に消えたから大丈夫」は危険

警告灯がいったん消えても、根本原因が解決されていなければ再点灯する可能性が高く、最悪の場合は制動系統に悪影響が出ることもあります。
実際、整備工場では「点灯→消灯→再点灯」という相談が多く、内部のエラー履歴から未対処の異常が判明するケースが少なくありません。

 安全装置の異常は、信頼できる整備工場で

ABS関連の整備には、車両の構造や電子制御に関する高度な知識と経験が求められます。
目に見えるパーツ交換だけでなく、エラー原因を正しく把握したうえでの対処が、再発防止と安心に直結します。

寒冷地や海沿いの地域では、湿気や路面の凍結防止剤(塩分)による影響で、センサーや配線部の腐食が進行しやすく、ABS関連の不具合が多発しています。
特に、冬季の塩害地域や湿度の高い都市部での相談件数は顕著で、日本国内でも沿岸部・積雪地域の整備工場では対応実績が集中しています。

 

【参考】都道府県別ABS関連相談件数(相対値)

  1. 北海道:積雪地帯 92件
  2. 神奈川県:沿岸部 72件
  3. 葉県:沿岸部 70件
  4. 青森県:積雪地帯 67件
  5. 東京都:都市部・沿岸 65件
  6. 大阪府:都市部 63件
  7. 兵庫県:沿岸部 60件
  8. 新潟県:積雪地帯 60件
  9. 福岡県:沿岸部 55件
  10. 秋田県:積雪地帯 54件
  11. 石川県:積雪地帯 52件
  12. 岩手県:積雪地帯 51件
  13. 宮城県:積雪地帯 50件
  14. 富山県:積雪地帯 48件
  15. 福島県:積雪地帯 47件
  16. 福井県:積雪地帯 46件
  17. 静岡県:沿岸部 45件
  18. 山形県:積雪地帯 44件
  19. 広島県:沿岸部 43件
  20. 長野県:積雪地帯 40件

 

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