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≪Maintenance Report 02≫クルマを動かす上で重要なバッテリーとオルタネータの関係

↑↑↑ 発電機の役割を持つオルタネータは電気系の要となるパーツ。

バッテリーオルタネータが支える“輸入車の心臓部” ―

現代の輸入車において、エンジンやATと同じくらい重要なのが**「電気」**です。
センサーや電子制御ユニット、ドライバーアシスト機能まで、多くの機能が電力を前提に動作しています。

そんな“電気の供給”を担っているのが、オルタネータ(発電機)とバッテリー(蓄電池)
この2つが正常に作動していなければ、どれだけ高性能な車でも、その性能を発揮することはできません。

しかし――実はこの「電気」の世界、故障やトラブルが突然やってくるのをご存じでしょうか?

目次

「クルマの電気というのは、一番面倒で厄介なんです」
こう話してくれたのは、輸入車専門の整備工場で“電気系トラブルのプロ”として知られる整備士さん。

エンジンやトランスミッションの不調には、必ず“前兆”がある。
でも電気のトラブルは違う。ある日突然クルマが動かなくなる――
原因は、ヒューズかもしれないし、端子の緩み、配線の腐食、あるいはバッテリーの劣化。
いずれにせよ、「予兆がない」のが特徴であり、最大のリスクです。

  • バッテリー: 電気を“蓄える”パーツ

  • オルタネータ: エンジン始動中に“発電してバッテリーを充電する”パーツ

この2つは互いに影響を及ぼしあいながら、車全体の電力を管理しています。

ところが、多くの人がセルモーターが回ればバッテリーは大丈夫と考えがちです。
しかし実際には、コンピュータ制御系統まで適切な電圧が届いていないと、エラーコードが発生したり、電子制御系が誤作動したりするのです。

さらに――

「安いバッテリーは鉛の量が少ない。充電率が80%程度しかない製品もあり、そうしたバッテリーに合わせてオルタネータが“頑張りすぎる”と、ICレギュレータが熱で壊れることがある」

これは実際に現場で起きている話です。

オルタネータはバッテリーの状態を判断できないため、いつまでも“満充電”にしようと高出力を続ける
その結果、過負荷がかかり、内部のICレギュレータが140℃以上の高温で破損してしまうのです。

バッテリーのコンディションは極めて重要になるので定期点検が必要。
オルタネータでダメになりやすいのがICレギュレータ。バッテリーが弱って十分に充電できない状態だと、過剰な発電によりICレギュレータが壊れてしまう。

バッテリーの寿命はおよそ2~4年
でも大切なのは“年数”よりもコンディションです。

たとえば:

  • クランキング(エンジン始動)が重く感じる

  • ナビやライトが暗く感じる

  • バッテリー端子が白く腐食している

  • 車載の電装品が誤作動を起こす

こうした兆候はすべて、「電気がうまく流れていない」サインかもしれません。

また、端子がしっかり固定されていない清掃されていない導電ケミカルが未使用など、装着不良もトラブルの元です。

格安バッテリーの中には、以下のような問題点があります。

  • 鉛の量が少なく、充電効率が低い

  • 再生バッテリーで品質が不安定

  • コンピュータ制御との相性が悪い

安いから…と選んだ結果、オルタネータまで壊れて出費が倍以上になるケースも少なくありません。

対して、**信頼できるブランドの高品質バッテリー(例:AGMタイプBoschVARTAなど)**は、車両との相性も良く、長持ちし、トラブルのリスクを大幅に減らせます。

輸入車で、バッテリーを定期的に交換しながら大切に乗られていたクルマでは、オルタネータが30万km以上もトラブルなく稼働したという実例も。

つまり、電気系メンテナンスは**「予防整備」そのもの**。
一度の出費で“見えないリスク”を大きく減らすことができるのです。

輸入車オーナーの「困った」、そのままにしていませんか?

電装トラブルやバッテリーの不調…
そんなときこそ、

輸入車メンテナンスが得意な工場に直接相談してみませんか?

部品情報

部品名 説明 推奨ブランド例
AGMバッテリー 高性能吸収ガラスマット型。アイドリングストップ車・高負荷車両に最適 VARTA, Bosch, Banner
オルタネータ 発電機。高品質なICレギュレータ搭載品推奨 Valeo, Bosch, Denso
接点ケミカル バッテリー端子やハーネスの通電性を維持する潤滑剤 Wako’s, Holts, LIQUI MOLY

部品情報

ドイツ製のキボシやコネクターは、接触精度が高く、振動に強い設計が特徴。
BMWやアウディのセンサー配線補修や、社外パーツの確実な電源取り出しに多用されており、プロの整備士も信頼を寄せる品質です。
汎用性が高く、旧車から最新モデルまで対応可能なのも魅力のひとつ。

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