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BMWのド定番メンテポイント、パワステフルードが漏れる理由

BMWのオイル漏れで多いポイントのひとつがパワステホース。構造上の問題なのか、BMWでは年式を問わず頻発している事例である。ここでは、古めのBMWだけではなく、比較的高年式のモデルにも発生しているパワステホースからのオイル漏れについて解説していこう。

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目次

ステアリング回りの構造は、ギアボックスの形式によって異なる。古めのBMWでは、ボール&ナット式と呼ばれるギアボックスが採用されている。これは操舵系に使われているアーム類など部品点数が多いのが特徴。そして近年多くのクルマに採用されているのがラック&ピニオン式で、今ではほとんどのクルマがこの形式のギアボックスを採用している。スペース効率に優れ、部品点数が少ないのが大きなメリットとなっている。
BMWのステアリング回りにおいてウィークポイントのひとつになっているのが、パワステフルードの漏れ。これは持病とも言えるもので年式を問わず多くのモデルで発生している。漏れが発生しやすいポイントとしては、リザーバタンクのキャップ、タンクに繋がるホースなど。リザーバタンクのキャップについては、定期的にパッキンを交換することである程度は漏れを抑制できる。部品代が安価なのでキャップごと交換するケースも多い。リザーバタンクに繋がるホースはねじ留め式になっていることが多く(モデルによって異なる)、漏れているようなら増し締めするのも手だが、漏れのペースが若干遅れるだけで根本的な解決にならないことが多い。もっとも漏れが多いのがパワステホースで、にじみ程度なら問題ないが、ひどくなれば交換しなければならない。
最近では、ステアリングラック側のホースから漏れ出すことや、本体から漏れるケースが増えてきている。ステアリングラックからの漏れは運転にも大きな影響を与える部分。ステアリングラック自体のトラブルはそれほど多くはないのだが、オイル漏れが原因で交換に至るケースもあるので注意したい。ラックブーツが切れてしまっているクルマも多いので、定期的に点検しておきたい。ブーツが切れていれば、当然車検でも不合格となってしまう。

ステアリングラック側に備わるパワステホースのかしめ部分から漏れるケースが多い。リフトアップしないとチェックできない部分だが、定期的に点検しておきたい。

パワステホースのかしめ部分から漏れるのが定番

なぜオイルが漏れるのかというのが気になるところだが、やはり高い圧力がかかる部分であること、経年劣化、素材の問題などが考えられる。実際にパワステホースをカットしてみると、その内部は頑丈にできているのが分かる。パワステホースはブレーキホースと似たような作りになっていて、高い圧力に耐えられるような構造。それでも漏れてしまうのは、やはりかしめ部分に問題があるからなのだろう。事実、パワステホースからの漏れはかしめ部分から漏れていることが多い傾向にある。
これらのポイントからの漏れを放置すると油圧が低下し、高価なパワステポンプが焼きついてしまうことがある。また、ポンプ自体からオイルが漏れ出すと交換が必要だ。それだけに定期的にホースを交換していくことがトラブルの予防に繋がる。

パワステホースは高い圧力がかかる部分。ホースをカットしてみると頑丈にできているのが分かる。かしめの部分に問題があるのかもしれない。

ワンオフでホースを作ってしまうツワモノもいる!

基本的にはホースから漏れが発生したら交換するしかないのだが、古めのクルマだと部品代が想像以上に高価であることも。ホース1本とはいえ海を渡って届けられる部品だと割り切れればいいが、実際の感情から言えば、なかなか難しいのも事実だろう。その場合の対策としてワンオフでホースを作るという手もある。ゴム製のホースなので国産品が信頼できるという声は多い。また、ステンメッシュを使って耐久性を大幅に高める方法もあるので、対応してくれるショップや修理工場があれば相談してみるのも手だ。
とはいえ、一般的なモデルであれば純正品も手に入るし、純正同等品と呼ばれるOEMパーツも流通しているので予算に合わせてチョイスし、メンテナンスしておくようにしたい。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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ゴムホースに漏れたオイルが付着している。これもホースの寿命を縮める原因になる。

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