メルセデス・ベンツ

真夏に負担がかかりやすい冷却系パーツの基本をマスターしよう!【メルセデス・ベンツ編】

真夏に負担がかかやすい冷却系のパーツ。その基本をマスターしておけばトラブルが起きた時に原因の予測ができ、出先での応急処置が可能になることも。 水冷エンジンの冷却系はシンプルな構造なので、メカが苦手な人でも大丈夫!

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目次

まずは、冷却系パーツの基本的なことについて解説していこう。エンジン内部にある冷却水の通り道であるウォータージャケットで熱くなった冷却水は、ウォーターポンプによって強制的に吸い出される。サーモスタットは弁の開閉によって冷却水を最適な温度に保つのが仕事。エンジン内部の水温が低い時には弁を閉じて冷却水の流れをカットし、エンジン内部だけで水温が上がるようにコントロール。逆に水温が高い場合は、弁を開きラジエターに冷却水を流し込むわけだ。
ラジエターに流れ込んだ冷却水は、細い管の中を循環しながら熱を放出し冷やされる。一定の温度になるとクーリングファンが回り、その風がラジエターへと当たることで冷却の手助けをするのだ。サーモスイッチはその温度センサーであり、ファンの動きをコントロールしている。こうして冷やされた冷却水は、ロアホースを通って再びエンジン内部へと送り込まれる。このように冷却経路を冷却水が循環することによって、エンジンを最適な温度に保っているのである。
そのため冷却系のどこかに不具合があると正常な冷却水の循環ができなくなり、水温の上昇や水漏れといったトラブルを引き起こすというのは容易に想像できるだろう。
この循環している冷却水はLLC(ロング・ライフ・クーラント)とも呼ばれている。これには様々な成分が含まれており、その主成分はグリコール。不凍液としての役割を持っていることから、冬場でも冷却水が凍ることはなくエンジンを冷やし続けることができる。
グリコールにはエチレングリコールとプロピレングリコールがあり、前者が一般的なクルマ用、後者が高性能クーラントの主成分として用いられる。このほかにも、サビを抑制する防錆剤、泡を発生させないための消泡剤なども含まれている。
冷却系の仕組みから見ると、冷却水が使われている環境というのは非常に過酷なもの。エンジンが発生させる熱により急激に暖められたり、ラジエターを通過することでまた冷やされるといった状態が繰り返される。これにより劣化が進んでいくと、本来持っている冷却性能が低下。添加されている防錆剤や消泡剤の性能も低下するため、冷却経路にサビが発生すればラジエターの目詰まりなどトラブルの原因になる。
消泡剤とは泡の発生を抑制するものだが、なぜ泡がダメなのかというと冷却水の循環効率を低減させてしまうから。泡の量が増えると、これが妨げになり冷却水が循環しにくくなる。そうなると、水温は下がりにくくなり気泡にも熱が蓄積されるので、水温は上昇傾向になる。

サーモスタットは冷却水温が設定された温度まで高くなると、弁が開き冷却水をラジエターに流し込んで水温の上昇を防ぐ。逆に温度が低い時は弁は閉じたままで、ウォーターポンプが回転しても冷却水はラジエターには循環しない。
ウォーターポンプとは冷却水を循環させラジエターに送り込むポンプのこと。エンジンの回転を利用してベルトによって駆動されている。そのため出力される水の量はエンジンの回転数に比例して増減する構造となっている。

例えば、夏場に多いトラブルとしてメジャーなオーバーヒートは、冷却水の内部の熱やキャビテーション(空洞現象)などが原因で気泡ができることによって起こる。この気泡部分の冷却効率は、水に比べて何と300分の1まで落ちてしまうのだ。例えばヤケドをした時「10℃の風」と「10℃の水」ではどちらがよく冷えるかを考えてもらえば、容易に想像が付くだろう。この性能低下を防ぐには冷却水の消泡性を確保することが重要であり、冷却水を2年に1回全量交換することがいかに大切かが分かるだろう。
このように冷却系の仕組みを知れば知るほど、基本的な部分のメンテナンスがどれだけ重要かが分かってもらえたと思う。クルマにとって過酷な夏がくる前に冷却系をきっちりと点検してもらい、コンディションを把握することが冷却系メンテナンスの第一歩なのである。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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冷却系を循環している冷却水(LLC)はエンジンを冷やす大切なもの。泡の発生を防ぐ消泡剤が含まれているが、劣化が進むと性能が低下しオーバーヒートなどのトラブルに繋がることもある。

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