メルセデス・ベンツ

主流となっている電子制御式ATにはどんなトラブルがあるのか!?

現在、多くのメルセデス・ベンツに採用されているATが電子制御式5速と7速。メルセデス・ベンツはこの7速ATを7Gトロニックと呼んでいる。ここではメルセデスに搭載される5速と7速タイプのATに注目してトラブル事例から対策方法まで紹介していきたい。

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目次

メルセデス・ベンツは1990年代後半から電子制御式ATを採用するようになる。こうした流れは、もちろんメルセデスだけではなく、多段化が進み、7速や8速といったATがコンパクトカーにも搭載されるようになった。クルマの進化によってATも大きな進化を遂げ、より快適なものとなっている。
メルセデスに搭載される電子制御式ATで代表的なものは、5速と7速タイプ。電子制御の部分を除けば、トルクコンバータ式という基本的な構造は機械式と同じ。部品の耐久性は向上していて、電気的なトラブルが発生した場合に、内部の部品を傷めないように3速固定のエマージェンシーモードに入る仕組みになっているのは大きな進化ポイントだと言えるだろう。
一般的なメンテナンスポイントとして注意したいのはオイル漏れで、これは発生率が高い。とくにオイルパンや基板に繋がるカプラー部分からオイルが漏れることが多い。このカプラーからの漏れは、メルセデスでは対策品が出ているほど多く発生している。オイルパンはそれに備わるゴムパッキンの劣化によるものなので、ATFやフィルターを交換する時に同時に換えるのがセオリー。オイル漏れを放置すれば油圧が低下しAT内部にもダメージを与えてしまうので、早めに対処しておくことが大切だ。

ATのオイルパンからの漏れは定番のポイント。高年式モデルではオイルパンとフィルターが一体になっているクルマもある。
基板に繋がるカプラー部分からのオイル漏れが多い。メルセデスやBMWでは対策品が出ているほど、多く発生している。

5速ATで頻発した内部の基板不良だが現在では減少傾向

メルセデス・ベンツ特有のトラブルとしては、 初期の電子制御式5速ATでは、バルブボディに備わるコンダクタープレートと呼ばれる基板不良により変速不良やエマージェンシーモードに入ってしまうトラブルが多かったが、内部の部品に改良が加えられることによって今では信頼性を回復している。だが最近では経年劣化によってコンダクタープレートが不良を起こすケースがあるのだ。コンダクタープレートは単体での交換が可能なので通常のオーバーホールに比べて費用は安価だが、クラッチディスクなどAT内部のパーツの磨耗によるトラブルの場合は、やはり相応の費用が必要になる。だが近年、、このコンダクタープレートは部品の対策が進み構造的な原因というよりは、経年劣化によって交換が必要になるケースがほとんど。

写真はメルセデスの5速ATに使われるコンダクタープレートと呼ばれる基板。これに不具合が起きると変速不良を起こす。

AT内部に水が浸入してしまうという事例

AT内部に水が混入してしまうケースもある。原因として考えられるのが、AT本体の上部に付いているグロメットが劣化し、そこから雨水などが混入してしまうこと。AT内部に水が混入すればバルブボディやクラッチディスク、さらには高価なギアなどにサビが発生し、ATに大きなダメージを与えてしまうのだ。水が混入してもすぐにトラブルが発生するわけではなく、ジワジワとサビの影響が出てくるのがやっかいなところ。オーバーホールにおいて再使用となることが多い高価なギアにまでサビが発生すれば、当然交換しなければならないので費用面での負担も大きくなる。
水が混入するもう一つの原因が、ラジエターの不良により冷却水が混入してしまうケース。ラジエターの横に備わるATFクーラーラインに不具合が起きて、冷却水がATFラインに混入。症状が出ないと確認できないためサビが発生してトラブルに繋がってしまうのである。
冷却水の混入については試験薬を使えば点検できるので症状がひどくなる前に状態を確認できるが、ディーラー以外でこれを持っている工場は少ない。冷却水の混入は一部のラジエターの不良によるものだが、雨水などの混入は5速と7速で発生しているので注意が必要だ。

AT内部に雨水や冷却水が混入するとサビが発生。クラッチディスクなどの消耗品だけでなく、高価なギアなどにまでサビが発生すると修理費用が嵩んでしまう。

現在主流の7速タイプにもトラブルが発生している

7速の7Gトロニック(メルセデス・ベンツでの呼称)では、フロントポンプの不良により大きな異音が発生することがある。トラブルが多発したことから回転部分が真鍮製から対策品のベアリングに変更されているほど。「ウィーン」という大きな異音が出るようになったらトラブルが発生している可能性が高く、これを放置するとポンプが焼きつき、修理費用も嵩んでしまう。
また、7Gトロニックのバルブボディはコンピュータと一体になっていて、希に壊れてしまうことがある。パーツ代も30万円以上と高価なことに加えて、基本的にはバルブボディごと交換するしかない。だが、メルセデス・ベンツに詳しい修理工場では、単体での交換に対応してくれるところもあるので、作業を依頼する際にはよく確認しておこう。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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