メルセデス・ベンツ

メルセデス・ベンツ 車検と整備の違い Vol.3

メルセデス・ベンツ車検と整備の違いVOL1VOL2に続き、VOL3でも車検時に実施しておきたいメンテナンスを紹介! この記事では車検時に必ずチェックが必要になるブレーキ関係、足回り、ヘッドライトレンズ、マフラーなどのメンテナンスについて解説します。

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目次

車検時のメンテナンスとして欠かせないのがブレーキ関係。ブレーキパッドやローターの残量をチェックするだけではなく、キャリパーのオーバーホールもやっておきたいメニューの一つだ。ブレーキは過酷な環境の中で、クルマを止めるという重要な役割を担っている。キャリパーのゴムシールが劣化して水分などが侵入すればサビの原因になるし、正常なピストンの動きを阻害する可能性も考えられる。そのため、車検のタイミングでオーバーホールしておくことは、その後の2年を考えたうえでも重要なメンテナンスだと言えるのだ。
ブレーキキャリパーのオーバーホールはじつにシンプルで、各部を入念に洗浄して、ゴムシールの交換を行う。費用もそれほど高くなく1つ1万円以下でやってもらえる。このオーバーホールと同時にやっておきたいのがブレーキフルードの交換だ。ブレーキフルードは吸湿性が高いため長期間使用すると水分を含みやすくなり、ブレーキの配管にサビを発生させることがある。2年に1回は交換すべきオイルなので、車検のタイミングで交換するのがベストだと言えるのである。
足回りでは、ロアアームやアッパーアームといった名前を聞いただけで何だか難しいと思ってしまうが、基本的なメンテナンスとしてはアームを接合しているボールジョイントとゴムブッシュだけ。こう考えると、足回りのメンテというのはじつにシンプルであることが分かるはずだ。
ボールジョイントはブーツが切れて内部のグリースが漏れてしまうことが多く、油切れにより異音が出たり、この亀裂部分から水分が侵入してサビが発生するとスムーズな動きができなくなってしまう。この状態をいかに早く見つけるかが重要なポイントになる。
ゴムブッシュの場合は、劣化すると亀裂が入ってしまうことが多いが、症状が出ていない場合はリフトアップしてみないと分からない。それゆえ、車検整備のタイミングでチェックしてもらうのが一番の方法だろう。
異音や振動がすでに発生している場合は、どこから、どのような状況で発生しているのかを把握しておくことが大切。走っているときなのか、ブレーキを踏んで減速しているときなのか、ステアリングを切ったときなのかなどの状況をメカニックに伝えられると、トラブルの原因を特定しやすくなる。
足回りメンテナンスの基本となるのが、ショックアブソーバーの交換。これが劣化すると乗り心地がフワフワとした状態になり、走行安定性も低下するため定期的に交換しておく必要がある。フィーリングだけでなく、オイル漏れを起こすこともあるので下回りと一緒にチェックしておきたい部分だ。スプリングは頑丈なので高年式モデルでは心配ないが、10年以上が経過した古めのクルマであれば交換を含めた足回り全体のリフレッシュが必要になる。
足回りは後回しにされがちなポイントだが、ドイツ車らしい走りを実現するキモとなる部分。計画的にメンテナンスを進めていきたい。

ブレーキフルードは作動油だが、吸湿性が高いのが特長。水分を含んでしまうと配管などにサビを発生させてしまう。2年に1回を目安に交換しておくべき部分。
基本的にゴムブッシュは頑丈だが、古めのクルマや走行距離が多いクルマは劣化が目立つ。走行フィーリングにも影響する重要なポイントだ。

ヘッドライトなどの灯火類は車検でチェックされるポイントだが、気になるのはヘッドライトレンズの黄ばみ。紫外線や経年劣化の影響により、ヘッドライトが黄ばんでしまうケースがじつに多い。この黄ばみが原因でヘッドライトの光量や光軸が基準を満たさず車検でNGになることさえあるのだ。
対処方法としてはレンズ単体で部品が出るクルマであれば交換すればOKだが、多くの場合ヘッドライトASSY交換となる。そうなると、保証が付く純正品がもっとも信頼できるのは言うまでもないが、費用は高額だ。そのため社外品を使うという手もある。ただし、あまりに安価なものは信頼性に問題があることが多いため、そのあたりの見極めが重要となる。
もう一つの方法としては、ボディ磨き等を専門としているショップでヘッドライトをキレイに磨いてもらうこと。黄ばみが発生している膜をポリッシャーを使って削り取るため、技術がないところだと歪みが生じてライト照射がおかしくなることもある。こうした磨きによる黄ばみの除去は、輸入車に詳しいショップに任せるようにしたい。

ヘッドライトレンズが黄ばんでしまう症状は多くの輸入車で発生している事例。劣化がひどいものは車検での光量や光軸の検査でNGになってしまうことがある。

新車から10年以上が経ったクルマは、排気系のメンテナンスが必要になってくる。ありがちなのが、サビによって排気管に穴が空いてしまったり、遮熱板が剥がれてしまうというケース。これらは新品に交換するのがベストだが、溶接によって補修するのがリーズナブルな手法。ただし、古めのクルマでは補修した部分以外の劣化も進んでいるので、長く乗るならワンオフのステンレスマフラーに交換するのがいいだろう。予算が厳しければスチールで製作してくれるところもある。ワンオフの場合は車検をクリアできるかどうかを、事前にしっかりと確認してから製作することが重要だ。
マフラーを吊っているマフラーリングも経年劣化しやすい消耗品であり、マフラーを交換したり、補修をした際には同時に換えておくのが効率的。費用もそれほど高くはない。

サビの影響で腐ってしまい穴が空いてしまったマフラーパイプ。新品交換以外のチョイスとしては、溶接による修理が効果的だ。

車検と整備は全くの別モノである!

「車検と整備の違い」と「車検時に実施しておきたいメンテナンス」として3回に分けて紹介してきたが、重要なのは車検をクリアしても、コンディションが万全というわけではないということ。車検時に消耗品の交換等のメンテナンスを行うことは、クルマを入庫させるタイミングとしてはベストかもしれない。ただし、消耗品の交換などを怠っているクルマはやるべきメンテナンスが増えていき、場合によってはまとまった予算が必要になることがある。そうならないためにも、ドイツ車に詳しい修理工場で計画的なメンテナンスを行っていくことが重要になる。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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メンテナンスの中心は消耗品の交換。車検時にまとめて行うよりも定期的に実施していくことがトラブル予防にも繋がる。

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