メルセデス・ベンツ

オイル漏れの放置が重大トラブルに繋がることがある!

車検や点検時に指摘されることが多いのがオイル漏れ。部位によっては「にじみ程度ならそのまま様子を見ましょう」ということが多いのですが、やはりそのまま放置しておくと重大なトラブルに繋がってしまうことがあります。この記事ではオイル漏れが発生しやすいポイントと、その後予測されるトラブルについて解説します。

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目次

にじみ程度なら問題ないとスルーされがちなオイル漏れ。部位によっては様子を見るというのも間違いではないのだが、いずれゴムシールやガスケットの交換が必要になる。しかしながら、そのまま放置されることが多いのも事実だ。オイル漏れが怖いのは、漏れだけにとどまらず重大なトラブルに繋がる可能性が高いということ。まずはこのことを認識しておきたい。そして、どこから漏れているかが重要なポイントとなる。
オイル漏れとして一番最初に頭に浮かぶのがエンジン回りだろう。エンジンや車種によって若干の違いはあるが、基本的な部分はほぼ同じだと言える。とくに漏れやすいのは、タペットカバーパッキン、ブローバイケース、ブローバイホース、オイルフィルターハウジングガスケットの4つ。これらは他の部分に影響を与える可能性が高いため注意する必要があることから、それぞれ具体的に解説していきたいと思う。
まずはタペットカバーパッキン。これはエンジンの一番上に位置するいわゆるフタの部分に装着されるゴムパッキンである。イグニッションコイルやプラグコードなどを取り外しての交換になるが、比較的簡単に修理できるポイントだ。ドイツ車に限らず多く発生しており、交換時期は走行距離で判断するよりも、漏れがひどくなってきたら交換するというスタイルが良いだろう。エキゾーストマニホールド側からの漏れがひどいと、漏れたオイルが高温になったエキマニに付着して煙を発生させることもある。車両火災の危険性もあるので定期的なチェックが必要だ。タペットカバーパッキンからの漏れを放置すると、プラグホールにオイルが溜まってしまい失火の原因になる。当然、エンジン不調を引き起こすから注意しなければならない。

エンジンのフタの部分に備わるゴムパッキンがタペットカバーパッキン。直列エンジン、V型エンジン問わずオイル漏れで交換頻度が高い部分である。
ブローバイケースが液体パッキンでシーリングされているクルマは、タペットカバーパッキンの交換と同時に液体パッキンを塗り直す。

同じゴムパーツであっても
使われている部位によって耐油性が異なる

近年メーカーを問わず増えてきているのがオイルフィルターハウジングからの漏れだ。オイルクーラーとの接合部分や、エンジンに直接装着されていたりと車種によって変わってくるが、多くのドイツ車で発生している事例である。原因はエンジンやオイルクーラーとの間にあるガスケットが劣化してしまうことで、車種によっては複雑な形状になっている。ここからの漏れで怖いのは、漏れたオイルがプーリーやベルトに付着すると、ゴムが劣化してベルトが切れてしまったり、ロックして走行不能になるというトラブルが現実に起きているということだ。同じゴムパーツでも、シールとして使われているものと駆動系のゴムベルトや足回りのブッシュ類では耐油性能が異なる。そのため足回りのブッシュやベルトにオイルが付着すると、急速に劣化が進みぶにょぶにょになってしまい、思わぬトラブルの原因に繋がってしまうのである。
また、オイルフィルターハウジングの下にオルタネーターが装着されているクルマで、漏れたオイルが付着したことで高価なオルタネータを壊してしまうという事例もあるから、ここからのオイル漏れは早めに対処しておくことが大切だ。
オイル漏れは単なるゴムシールの交換と思われがちだが、漏れた箇所によっては大掛かりな修理が必要になることもある。例えば、エンジンとATの間にあるリア側のクランクシールからの漏れ。このシールがダメになると、ミッションのコンバーターシールに漏れたオイルが付着。前述したようにゴムの性質が異なることからコンバーターシールの寿命が極端に短くなってしまうのである。さらに、このリアのクランクシールを交換するためにはATを降ろす必要があるため、非常に手間と時間がかかるのだ。
エンジン以外で多いのは、パワステのリザーバタンクやホースからのオイル漏れ。リザーバタンクはキャップにあるゴムシールの劣化が原因なので、ここは定期的に交換しておきたい。BMWなどではホースからの漏れが定番だが、ワンオフで耐久性の高いホースを作る以外に対策がないため、基本的には持病と割り切って定期的に交換していくしかない。
そのほかにもオイルパンパッキン、電子制御式ATのカプラー部分、ATのオイルパンパッキンなどからのオイル漏れも多いので、オイル交換ついでに漏れの状況を点検しておきたい。オイルレベルセンサーなどのセンサーの差し込み口から漏れることもあり、主にOリングの劣化が原因なのでここもチェックしてもらおう。
オイル漏れを軽視する人もいるが、その代償は非常に大きいということは知っておきたい。シール交換で数万円で済む修理が、放置してしまったことで費用が嵩んでしまうことは修理工場でよく聞く話である。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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オイルレベルセンサーなどが装着されているところからオイル漏れが発生することもある。下回りは定期的に点検しておくこと。

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