メルセデス・ベンツ

メルセデス・ベンツW213型Eクラスのエアサスが故障する原因

W213ベンツの車高

エアサスペンション(AIR BODY CONTROL)の構造

メルセデス・ベンツEクラス(W213型)の上位グレードやオプションには、電子制御式エアサスペンション「AIR BODY CONTROL」が搭載されています。これは従来の金属スプリングの代わりに、ゴム製の「エアバッグ」に高圧の空気を充填して車高や減衰力を緻密にコントロールするシステムです。

非常に上質でフラットな乗り味を提供する反面、システムを構成する部品が多く、経年劣化による空気漏れ(エア漏れ)が避けられないという宿命を持っています。

日本の気候と熱サイクルによるゴムの劣化

エアサスの主要部品であるエアバッグは特殊なゴムで作られていますが、日本の四季による激しい寒暖差や、走行時の路面からの細かな入力、熱サイクルによって、ゴムのしなやかさは徐々に失われていきます。

特に走行距離が5万km〜8万kmを超えたあたりから、伸縮を繰り返す折り返し部分のゴムに微細なひび割れ(クラック)が発生しやすくなり、そこから少しずつ高圧の空気が漏れ出すトラブルへと発展します。

目次

「朝起きたら車高が下がっている」初期のエア漏れ

W213型のエアサストラブルで最も定番の初期症状が、数日間駐車した後に片輪、あるいは前後どちらかの「車高が極端に下がっている(シャコタン状態になっている)」という現象です。

エンジンを始動すると、車載のコンプレッサー(空気圧縮機)が作動して元の車高に戻るため「一時的なものか」と放置されがちですが、これは完全にエアバッグから空気が漏れているサインです。放置すると漏れはさらに悪化していきます。

コンプレッサーの作動音が異常に長い、または異音がする

エア漏れが発生している車両は、減った空気を補うために「コンプレッサー」が必要以上に頻繁に、かつ長時間作動することになります。

ボンネットや床下から「ブー」という作動音が何分間も聞こえ続けたり、「ガラガラ」という異音が発生し始めた場合は、コンプレッサーが過負荷によって焼き付きかけている証拠です。コンプレッサーが完全に故障すると空気を送れなくなり、メーターに「車高が低すぎます」という赤い警告灯が点灯して、走行不能(レッカー移動)に陥ります。

エアバッグとコンプレッサーのセット交換・リレーの同時交換

診断の現場で片側のエア漏れが確認された場合、反対側のエアバッグも同じ年数・距離を走行して寿命を迎えているため、左右同時に交換することが鉄則です。

また、前述の通りエア漏れを放置していた車両はコンプレッサーも酷使されて寿命が縮んでいるため、必要に応じて同時に交換を推奨します。その際、コンプレッサーを駆動させるための「電気リレー(ヒューズボックス内)」を新品に交換することも忘れてはなりません。古いリレーを使い回すと、接点融着を起こしてコンプレッサーが回り続け、新品の部品をすぐに焼き付かせる二次災害を招くからです。

OEM部品を活用した賢いリフレッシュ

純正新品のエアサス部品(ストラットアセンブリなど)は非常に高額で、ディーラーでの丸ごと交換見積もりは数十万円〜100万円を超えるケースもあります。

しかし、現在は信頼性の高い優良OEM部品(ビルシュタイン製など)や、リビルト(再生)部品が流通しているため、専門店でこれらのパーツを活用すれば、クオリティを維持したまま修理費用を大幅に抑えることが可能です。乗り心地に少しでも違和感を覚えたら、早めの診断と予防整備を計画することをおすすめします。

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