メルセデス・ベンツ

ベンツW212のエアサス下がり!ベローズ亀裂対策

Mercedes Benz W212 E Class driving sedan car

メルセデス・ベンツ Eクラス(W212型)で朝一番に車高が下がる原因

乗り心地と水平を保つ「リアエアサスペンション」の仕組み

高速道路を矢のように突き進む直進安定性と快適な乗り心地で、今なお高い人気を誇る4代目Eクラス(W212型・セダンおよびS212ステーションワゴン)。

荷物をたくさん積んでも車体を常にまっすぐ水平に保つため、リアサスペンションには金属のスプリングではなく、空気の力で車体を支える「リアエアサスペンション(ベローズ)」が採用されています。車体に取り付けられたハイトセンサーが傾きを常に感知し、トランク下部にある電動コンプレッサーからエアを送ったり抜いたりして、ミリ単位で車高を自動コントロールしています。

10年経過によるゴムベローズのひび割れと空気漏れ

W212で「朝起きるとリヤの車高がペッタンコに下がっている」「走り出すと少しずつ持ち上がる」というトラブルが起きる最大の原因は、エアスプリング(ベローズ)のゴム劣化です。

新車から10年ほどが経過すると、走行中の伸縮や砂利の巻き込み、タイヤハウス内の熱によって、分厚いゴムバッグに目に見えないほどの細かなヒビ割れが入ってしまいます。駐車中に車体の重みでゴムが折りたたまれた部分から空気がじわじわと抜けてしまい、朝方にはタイヤがフェンダーに被るほど車高がペタッと落ちてしまうのです!

故障の主な原因 トラブルの具体的な内容 効果的な対応策
エアベローズゴムの亀裂 駐車中にエアが漏れ、リアの片側または両側の車高が極端に低下 対策型エアスプリング(ベローズ)左右新品交換
バルブブロック内部の気密不良 配管の切り替えバルブからエアが逆流して車高を保持できない バルブブロックAssyの点検・新品交換
コンプレッサーの作動過多・焼損 エアー漏れを補おうとポンプが回り続け、内部ピストンが焼き付き コンプレッサー本体および駆動リレーの同時交換

目次

【ケース|メルセデス・ベンツ E350 アバンギャルド W212 2013年式】

  • 症状:朝ガレージへ行くと左後ろのタイヤハウスの隙間がなくなり、車体が左に大きく傾いていた。エンジンをかけると「ブーン」とポンプの音が長く続き、数分後に元の車高へ戻る。

  • 診断結果:リア左側エアサスベローズ折り返し部のゴムクラックによるスローリーク(微量漏れ)。

  • DTCコード:C155664(プレッシャーセンサー信号異常・規定時間内に圧力上昇せず)

  • 処置内容:リア左右エアサスペンションベローズAssy新品交換、コンプレッサーリレー交換、信頼できるプロの整備工場にて汎用スキャンツールによるエアサス充填・車高キャリブレーション(キャリブレーション校正)の実施。

メーターの「車高が低すぎます」警告とコンプレッサーの異音

エア漏れが始まった初期の頃は、エンジンをかければコンプレッサーが頑張って空気を送り込むため、通常通り走れてしまうケースがよくあります。

しかし、車を停めて数時間後にリアが沈み込んでいたり、エンジン始動直後に車体下から「ブーン」「カタカタ」とコンプレッサーが必死に回り続ける音が長く響く場合は要注意です!そのまま放置すると、メーターに赤い文字で「停車してください 車高が低すぎます」という警告メッセージが表示されます。酷使された高額なコンプレッサーまで焼き付いてしまい、修理代が一気に跳ね上がってしまうため油断は禁物です。

左右同時交換と焼き付き防止リレーのリフレッシュ

路上での突然の立ち往生や余計な二度手間工賃を防ぐためには、片側に隙間ができた段階で左右セットで交換しておくのが鉄則です。

片側のベローズに穴が開いたということは、同じ年数・同じ距離を走ってきた反対側のゴムも限界を迎えています。左右同時に新調することで、左右のバランスが整ってサスペンション本来のしなやかな乗り味がしっかり蘇ります。また、コンプレッサーに電気を流す「専用リレー」も接点が溶着して回りっぱなしになる持病があるため、ベローズ交換時にリレーも一緒に新品へ取り替えておくのがプロの知恵です。なお、整備にかかる費用はパーツの選択(純正品や信頼できるOEM品)によって前後しますが、「十数万円〜数十万円程度」がおおよその目安です。事前に信頼できる専門店へ確認してみましょう。

信頼できる整備工場でのエア充填と車高レベル校正

新しいエアベローズを取り付けた後は、いきなりジャッキを降ろしてはいけません。ペチャンコの状態で車重をかけると新品のゴムが折れ曲がって破れてしまうため、確実なデジタルセットアップを行います。

プロの整備士に汎用スキャンツールをOBD2ポートへ繋いでもらい、診断機のメニューから「エアサス充填ルーチン」を実行して規定圧までゆっくり空気を送り込みます。仕上げに「車高キャリブレーション」を実行し、左右の地上高ミリ数データをECUに正しく登録してもらうことで、作業後の安心感も格段に高まることでしょう。愛車のリアが少しでも下がっていると感じたら、信頼できる近くの整備工場へ早めに相談してみてはいかがでしょうか?

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