【エンジン始動トラブル、その原因は?】
「エンジンがかからない」「セルモーターの音がしない」「カチッと音がするだけ」――
そんな症状に悩まされることはありませんか?
AUDI A6では、スターターモータ(セルモーター)の不具合が原因となる事例が年式を問わず散見されます。バッテリーやリレーと混同されがちですが、的確な診断と部品選定、そして経験に基づく作業が不可欠です。
【スターターモータの役割と主な不具合】
スターターモータは、エンジンを始動させるための重要な部品。故障時には以下のような症状が現れます:
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キーを回しても、またはスタートボタンを押してもセルが回らない
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一瞬セルが回るが、すぐに止まってしまう
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始動時にギュルギュルという異音や空回り音がする
これらの症状は、内部のブラシ摩耗やピニオンギアの不良、通電不良などが背景にある可能性があります。診断機による確認と配線・リレー系の電圧チェックを行うことがトラブル原因の特定には不可欠です。
目次
整備現場からの実例
実際の整備現場では、以下のようなメンテナンス例があります。
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始動不能でレッカー入庫 → スターターモータ内部の焼損が原因
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始動時に空回り音 → ピニオンギアの摩耗を確認
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スターター電源端子の腐食 → 配線修理と端子交換を実施
こうした事例からもわかるように、単純な部品交換では済まないケースも多く、付随する点検や整備が大事です。
AUDI A6における脱着の特徴
AUDI A6(特にC7型以降)では、スターターモータはエンジンとトランスミッションの境目付近、車両下部に設置されています。
▼主な作業ステップ
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バッテリー端子のマイナス側を取り外し(感電防止)
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アンダーカバーの脱着で下部アクセスを確保
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インテークパイプや遮熱板を一部取り外し
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スターターモータの固定ボルト・電源ケーブルを外す
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スターターモータ本体を慎重に脱着
一部モデルでは、セーフティボルト(特殊形状)が使用されており、対応する専用工具が必要になります。また、配線を痛めずに外す技術や、再取り付け時のトルク管理も重要です。
部品情報
【整備上の注意点】
- スターターモーターは純正品/OE品/リビルト品などが流通
- 年式・エンジン型式ごとに適合部品が異なるため、車台番号による照合が必須
- 配線端子の腐食が進んでいる場合は、ケーブル補修またはハーネス交換が推奨されます
さらに、スターターモータのみならず、関連する電装系(オルタネーター・バッテリー)の状態チェックも並行して行うのが望ましく、再トラブル防止のためにもプロの総合診断が効果的でしょう。
【DIYでの対応はおすすめできません】
スターターモータの脱着は、車両下部からのアクセス、高トルク固定ボルトの扱い、専用工具の使用が求められるなど、難易度が高く、DIY作業には不向きです。また、配線や電装部への影響が大きいため、誤作業による2次トラブルのリスクもあります。







