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A3、A4、A6など旧世代アウディで気をつけたい燃料系の重要ポイント

一般的にクラシック、ネオクラシックと呼ばれている世代のA6、A4、A3などであれば燃料系のメンテナンスは一度は済んでいる思いますが、年月を重ねた古めのクルマでは定番のポイント以外のメンテナンスが必要になってきます。この記事では燃料系にかかわる見落としがちなポイントとその整備について解説します。

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目次

燃料系の定番メンテポイントといえば、燃料ポンプ、フィルター、リレーといった部分で、旧世代ドイツ車では一度は交換している部品である。燃料系の不具合はエンジンの調子に直結するので疎かにできないのはご存知だと思うが、見落としがちなのがガソリンタンク。現在のクルマは樹脂製のタンクを採用しているが、古めのドイツ車では金属製のタンクを搭載するクルマがある。安全性を重視したこの金属製タンクだが、長期使用によりサビが発生するというトラブルが出ている。
このサビが非常にやっかいで、高価な燃料ポンプやエンジン本体にも大きな影響を与えてしまうのだ。それゆえ、ガソリンタンクのサビというのは放置できない重大なトラブルであるということを認識しておく必要がある。
ガソリンタンクにサビが発生してしまうのは、タンク内外の温度差によって結露が発生してしまうことにある。この結露による水分と酸素によって酸化してしまうのだ。
過去に一度くらいは、ガソリンスタンドなどで水抜き剤を勧められたことがあると思う。水抜き剤の主成分はアルコールであり、水と燃料を結びつけて燃やしてしまおうというものだ。樹脂製のタンクが主流である現在ではあまり見かけなくなったが、当時は金属製のタンクを搭載したクルマが多かったということだろう。
サビがなければ水抜き剤を使うことで一定の効果を得ることはできるかもしれないが、新車から20、30年以上経過したタンクの内部を確認することは現実的ではないし、アルコールによる悪影響も考えられる。水抜き剤を入れればOKということではないので、ここは勘違いしないでほしい。
ガソリンタンクはクルマによって搭載位置が異なるが、リアシートバックの裏に鉄板を挟んで取り付けられていたり、リアシートの座面下などに装着されている。車内でガソリンの臭いがする場合、トランクのカーペット、またはリアシートの座面を外したパネル付近からガソリンが漏れている可能性がある。また、燃料ポンプを交換してもすぐに異音などが出て壊れてしまうといった場合、燃料タンク内部に溜まったサビなどの異物が原因となっているケースが多い。燃料タンクにもフィルターが備わっているが、サビなどが発生すると目詰まりを起こして、正常にろ過されなくなってしまうのだ。
ガソリンタンクを交換するとなった場合は基本的にはASSY交換となる。また、タンクには前述したフィルターユニットと燃料計のセンサーであるセンダーユニットが取り付けられているので、これも同時に新品にしておく方が安心だろう。燃料計の針がピクピクと跳ね上がったり落ちたりする場合、その原因の多くはセンダーユニットの接触不良によることが多い。
インタンク式の燃料ポンプを搭載しているクルマでは、燃料計のセンサーはポンプユニットに装着されている場合もある。同様に動かなくなってしまったり、異常な動きをすることがあるので、タンクを交換するときにはチェックしておくべき部分だ。
燃料タンクは約5~10万円と車種とタンク容量によって価格は異なるが、前述したような症状が出た場合や長く乗っていくなら交換が必要となる。クラシック世代のドイツ車ではサビが発生しているクルマもあるから重要な燃料系メンテナンスのひとつ。ポンプやフィルターも大事であることは間違いないが、その寿命を延ばすためにも旧世代ドイツ車はガソリンタンクの状態に気を配っておく必要があるのだ。

漏れ出したガソリンがフロアに溜まってしまうことがある。これは非常に危険な状態なので、すぐに修理工場で見てもらう必要がある。

ガソリン臭の原因となるのはタンクの不良だけではない。例えばチャコールキャニスターやパージバルブがそうだ。チャコールキャニスターはガソリンタンクの中などで蒸発した燃料を一時的に溜めて、制御バルブであるパージバルブを介してインテークに流し燃焼させている。チャコールキャニスターの内部には活性炭が詰まっていて、水や汚れなどを除去するフィルターのような役目も持つ。この活性炭は時間が経つにつれてその性能が低下し、さらにボロボロになった活性炭がパージバルブの電磁弁を詰まられてしまうことがある。そうなると、ガソリンの臭いが車内にまで入り込んでしまうのだ。
リアシートの座面下にタンクがあるインタンク式の燃料ポンプを搭載しているクルマでは、ゴムパッキンが劣化していたり、ポンプの交換時に正しく装着されていなかったりすると車内までガソリン臭くなってしまう。ホースからガソリンがにじみ出ていることもある。
このようなガソリンの臭いを感じたら、即修理工場で点検してもらうこと。ガソリン漏れは車両火災が危惧されるから、信頼性を重視して新品の純正パーツを使うということは理解してもらえると思う。
最後にガソリンの劣化についても触れておこう。ガソリンは揮発成分が抜けやすいため、長期間使わない場合はタンクを満タンにしておくのが基本だ。揮発成分が抜けてしまうとワニスが発生(俗に言う腐った状態)してしまい、このガソリンが燃料ポンプに送られてしまうと一度は作動するものの、内部で詰まって二度と動かなくなるという現象が発生する。半年くらいなら問題はないが、それ以上になる場合はガソリン保管用の添加剤などを入れておくように心がけよう。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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ガソリンタンク内に溜まった気化ガスを一時的に溜めるフィルターのような役目を持つチャコールキャニスター。写真はメルセデスのもの。
チャコールキャニスターの制御をするパージバルブ。ここに活性炭が詰まってしまうと車内がガソリン臭くなることがある。写真はメルセデスのもの。

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