Audi

アウディで発生しやすいステアリング回りの劣化とトラブル

独特な構造を持つアウディの足回り。その中で注意したいのがステアリング回りの劣化です。そのポイントとなるのがタイロッド。この記事では主に旧世代アウディで発生しやすいトラブル事例とその対処法について解説します。

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目次

B6、B7型A4のフロントサスペンションは、4リンク式の独特な構造となっているが、この世代のアウディで注意したいのがステアリング回り。ステアリング系のポイントになるタイロッドはボールジョイントを介して装着されているのだが、このタイロッドエンドの負担が大きく、ガタが出たり、ブーツからグリースが漏れているケースが多い。この状態で走行を続けるとステアリングが安定しなかったり、わだちなどを乗り越えたときにステアリングが取られやすくなってしまう。タイヤとボディのすき間からボールジョイントの状態を確認できるので、まだ一度も交換していなければチェックしておきたいところ。
オイル漏れについてはパワステホースがウィークポイントになる。例えばホースとリザーバタンクの接続部分から漏れることが多いが、固定しているネジを増し締めしても一時しのぎにしかならず、根本的には直らない。パワステホースについては漏れがひどくなってきたら新品に交換するしかないのが実情だ。補充が必要になるほど漏れてきたら重篤な症状。高価なステアリングラック内部の油圧低下を招き、壊してしまう可能性もある。実際にそういった事例もあるので、オイル漏れを発見したら早めに対処しておこう。
ステアリングラックは希に異音などが起きるが、頻度として多いのはブーツ切れ。ラック&ピニオン式においては定番の症状で、放置しておくと本体に大ダメージを与えてしまう。ブーツだけなら数千円のパーツ代が、本体が壊れると一気に数十万円になってしまうので注意が必要だ。
走行中の異音の原因は様々。操舵系のタイロッドのほかにも、足回りのアッパーアームのボールジョイントが原因であることも多い。オイル漏れについてもリザーバタンク、パワステホース、パワステポンプなどいろいろとある。ステアリングのフィーリングに違和感を感じたり、オイル漏れを発見したら、アウディに強い修理工場でステアリング系を点検してもらうことが大切。こんなもんだと思わずにきっちりとメンテナンスをすれば、自分が思っている以上の走りを楽しむことができるのである。

2本のアッパーアームに連結されているタイロッド。そのエンド部分であるボールジョイントに負担がかかりやすく、ガタが発生したり、ブーツが裂けそこからグリースが漏れ出してしまうことが多い。

ドライブシャフトブーツの
チェックも忘れずに!

ドライブシャフトのブーツ切れはお約束。ドライブシャフトはボールジョイントをグリースで満たす必要があり、柔軟性をもつ蛇腹のゴムや樹脂のブーツで覆われている。
フロント側のドライブシャフトブーツにはアウターとインナーの2つがあり、合計4つのブーツが使われている。劣化すると内部のグリースが飛び散ってしまうことが多い。アウターは比較的チェックしやすいが、インナーブーツは切れてもグリースの飛ぶ範囲がリフトアップしないと目視できないため見落としがち。片方がダメだと反対側も劣化している可能性があるのでよくチェックしておく必要がある。完全に切れていなくても亀裂が入っていたり、ブーツがねじれて変形してしまっているケースもあるから注意したい。
ブーツが切れていると車検に通らないので、ステアリング回りをメンテナンスするときはついでにチェックしてもらうといいだろう。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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ドライブシャフトブーツは完全に切れていなくても、亀裂が入っていたり写真のように変形してしまっていることもある。

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