メルセデス・ベンツ

ベンツW205の給油口が開かない!原因と応急処置

ベンツC180の給油口

メルセデス・ベンツで給油口(フューエルリッド)が開かなくなる原因

ドアロックと連動するフューエルリッドアクチュエーターの仕組み

メルセデス・ベンツCクラス(W205型)をはじめとする多くのモデルでは、給油口の蓋(フューエルリッド)に独立した鍵穴はありません。ドアロックの施錠・解錠と連動して、内部にある小指ほどの「フューエルリッドロックアクチュエーター(電動モーター)」が小ピンを出し入れし、フューエルリッドのロックを行っています。

ドアロックを解錠した状態でフューエルリッドを外側からポンと押し込むと、内部のラッチ機構が外れて開く構造になっています。しかし、この給油口の鍵を握る小型モーターこそが、経年劣化によって動かなくなる定番のトラブルポイントなのです!

電動モーターの焼損と固着による突然の作動不良

給油口が開かなくなる最大の原因は、アクチュエーター内部の小型モーターの焼き付きや、プラスチック製ギヤの破損・固着です。

セルフのガソリンスタンドでいざ給油しようとした際、集中ドアロックを解除しているにもかかわらずアクチュエーターのピンが引っ込んだまま戻らない(あるいは突っ張ったまま固着する)状態に陥ります。外側から幾らフラップを押し込んでも、ロックピンが引っかかっているため物理的に開かなくなってしまうのです。ガソリン残量が少ない時にこの症状が出ると、走行不能に直結するため非常に焦るトラブルと言えます。

故障の主な原因 トラブルの具体的な内容 効果的な対応策
アクチュエーターのモーター焼損 内部モーターの寿命によりロックピンが動かなくなる フューエルリッドアクチュエーターの新品交換
内部ギヤのプラスチック破損 ギヤが噛み込んでピンが固着し、解錠不能になる アクチュエーターAssy交換およびコネクター点検
給油口ラッチ(プッシュ機構)固着 押し込みバネの劣化で、ロック解除後もフラップが跳ね上がらない ラッチメカニズムの清掃・シリコンスプレー塗布または交換

目次

【ケース|メルセデス・ベンツ C180 AVANTGARDE W205 2016年式】

  • 症状:ガソリン残量警告灯が点灯したためスタンドへ行き、ドアロックを解除して給油口を押したが全く開かない。

  • 診断結果:フューエルリッドロックアクチュエーター内部モーターの固着。

  • DTCコード:B11B215(フューエルフラップリレー:ショートまたは回路断線)

  • 処置内容:トランクルーム側からの手動緊急解除、アクチュエーターAssy新品交換、エラー消去。

トランクルーム内からの手動解錠と「長押し」閉鎖の手順

万が一ガソリンスタンド等で給油口が開かなくなった場合は、落ち着いてトランクルーム(またはラゲッジルーム)からの手動操作を行いましょう!

給油口と同じ側(右側)のトランク内張りカバーを開けると、裏側に赤いプラスチック製の「緊急解除コード(または手動操作用ノブ)」が配置されています。これを手前(後ろ方向)にまっすぐ強く引っ張ることで、固定されているアクチュエーターのロックピンを物理的に強制解放することができます。コードを引いたままの状態で、誰かに給油口フラップを外から押してもらうと簡単に開けることが可能です。

無事に給油を終えて給油口フラップを閉じる際は、ひと工夫が必要です。ただパチンと閉めるだけでなく、給油口フラップを閉じる際に押し込んだまま数秒間「長押し」して保持してみてください。一時的に制御やラッチ位置が同期し、きちんと閉まる(ロックされる)ケースがあります。

ただし、これはあくまで一時的な応急処置です。一度モーターが固着すると次回施錠時に再び開かなくなるため、早急な部品交換が必要となります。

アクチュエーターAssyの予防交換とアプローチ

応急処置で給油口を開けた後は、トラブルの再発を防ぐために速やかにアクチュエーター本体(Assy)を新品へ交換しましょう。

作業はトランク内張りを一部脱着し、給油口側のハウジングを傷つけないように取り外して行います。部品自体は小型の電子パーツであり、交換にかかる費用は部品代と工賃を合わせても「数千円〜数万円程度」でおさまるケースがほとんどです。※価格は地域や店舗によって変動します。愛車の年式が7〜8年を超えている場合は、出先で立ち往生しないよう予防的に点検しておくのも賢い選択といえるでしょう。

スキャンツールによるSAMモジュールのエラー消去

物理的な部品交換が終わったら、最後はスキャンツール(診断機)を車両のOBD2ポートに接続してデジタル処理を行います。

メルセデス・ベンツのフューエルリッド制御は、リアSAM(シグナルアクチュエーションモジュール)というボディ制御ECUが司っています。故障時に「回路異常」や「作動限界」といったエラーコードが記憶されているため、診断機からこれらのDTCをクリア(消去)します。

最後に診断機からアクチュエーターの駆動テスト(アクティブテスト)を行い、ドアロックの開閉に合わせて給油口のピンがカチッとスムーズに伸縮することを確認してすべての作業が完了します。給油口の動きに少しでも違和感を覚えたら、完全に開かなくなる前にお近くの専門店で点検してみましょう。

給油口が開かなくなる突然のトラブルを防ぐための点検など、お近くの[輸入車メンテナンスサービス]へご相談ください。

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