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天井パネルが落ちてきてしまった場合の正しい対処方法

輸入車の多くで発生している経年劣化のひとつに、室内の天井パネルが落ちてきてしまうという事例があります。最初のうちは生地が浮いている程度でも、放置しておくと一気に生地が垂れてしまい、頭部に接触したり後方視界が確保できなくなることも。そうならないためにも正しい対処方法を知っておきましょう。

目次

内装の劣化にはいろいろとあるが、輸入車ユーザーの多くで発生しているのが、ルーフライナーと呼ばれる天井部分の生地が垂れてきてしまうこと。最初のうちは生地がちょっと浮いているだけだが、時間が経つにつれて状態は悪化していく。ひどくなってくると、頭部に接触したり、視界を妨げてしまうため安全面においても放置できないトラブルなのである。
天井パネルはウレタン製の薄いマットに布地が張り付けられたような構造になっていて、ベース材にマットの反対側が接着されているのだが、この接着剤が劣化して剥がれたり、ウレタン自体がボロボロに崩壊してしまう。熱や紫外線などによる経年劣化が大きな要因だが、車種によって状態が異なることから、接着剤の違いも原因の一つだと思われる。
これを修理するためには2つの方法がある。まずは純正品に交換するという方法。内装色、生地の種類などが新車の状態になるのでオリジナルをキープできることがメリット。ただし、部品代だけで約10万円以上になることがあり、高価なのがネックだ。
もう一つの方法が張り替え。使用する生地を自分で選べるので、内装のイメージチェンジを兼ねて張り替えをするユーザーは多い。使う生地にもよるが、安い生地であれば新品交換の費用に比べ半額くらいで直すことができる。

生地が剥がれてウレタンもボロボロになってしまった天井パネル。純正品を使った新品交換だと部品代だけで10万円以上と高額な修理になる。

リーズナブルな修理方法は
「張り替え」

では、どのようにして天井パネルの張り替えを行うのか。ここでは実際の作業からそのポイントを紹介していきたい。まずは天井パネルを取り外すために、バックミラー、ピラーカバー、シートベルトなどを外していく。天井パネルが外せる状態になったら取り出すわけだが、セダンの場合はリアガラスを外す必要があるため手間がかかる。だが、こうした修理を得意とするショップではリアガラスを外さずに天井パネルを取り出してくれるところもある。ワゴンはハッチを開けてリアから搬出できるのでガラスを外す必要はない。
その後、劣化した生地を剥がし、ベース材に付着したウレタンをキレイに除去していく。そして新たな生地を接着剤を使って張り付け、十分に乾燥させる。そしてパネルを車内へと搬入し固定したら、内装パネルなどを元に戻して作業は完了だ。
こうして書いていくと簡単なように思えるが、シワにならないように生地を張り付けたり、張り替えた天井を車内に取り付ける作業は経験と技術が求められる。また、失敗が許されない一発作業であるため、あらゆる部分で細心の注意が必要になるのだ。DIYで張り替えに挑戦する人もいるが、プロのような仕上がりと耐久性を実現するのは難しい。もちろん、趣味として失敗も良しと考えるなら楽しいものだが、新車のような満足のいく仕上がりを目指すならプロに依頼することをお勧めする。
天井が垂れてくると視界を妨げ、安全面にも影響が出てくるため、とりあえずの応急処置をして乗っているという人も少なくない。定番なのは、下からホッチキスで生地をベース材に打ち込むという方法。金属製の芯が下から見えるのが難点だが、これはまあアリという手段。剥がれた生地を切り取ってしまうというのも、多少荒っぽいながらどうせ張り替えるなら選んでもいい方法だ。一番やってはいけないのが、生地を一部切ったりして、そのすき間から接着剤を流し込む方法。これをやってしまうと、ボンドによる固着でリペア作業が難しくなってしまうので注意しよう。

生地が垂れてきてしまった場合、放置しておくと状態はさらに悪化していく。できるだけ費用を抑えるなら張り替えるのがベスト。

シートの劣化も
部分修理で復活できる!

そのほか内装パーツの劣化で気になるのがシート。サイドサポートや座面など、常に身体に触れているシートだけに内装パーツの中でもキズつきやすい部分と言える。張り替えとなるとそれなりの費用が必要になるし、ちょっとのキズで全部を張り替えるという人も少ないだろう。しかし、こんな時こそ部分修理(リペア)が有効となるのだ。
作業の流れとしては板金塗装に似ていて、表面の汚れ、油分を落としキズついた部分にパテを埋めていく。サンドペーパーなどで表面を磨いた後、塗料を吹きつけていくといったもの。この塗料の入れ方が職人ワザであり、補修の跡が目立たないように、他のシートに合わせた絶妙な調色がされるのである。少し古めのドイツ車なら経年劣化によりヒビが入っていたりするのだが、希望すればそれも考慮した仕上げをしてくれるのが嬉しい。だから違和感もなく、ドイツ車らしいシックな内装にピッタリとハマるのである。乾燥にも時間が必要なので、リペアの個所が多い場合には多少時間がかかることも。それでも仕上がった時の印象は、これまでの雰囲気を壊すことのないものだから満足感も高いはず。
またファブリックシートについたタバコの焦げ穴のリペアも可能。喫煙者なら分かると思うが、いくら注意をしていてもポロっとタバコの灰が落ちてしまう場面があるはず。そんな時もシートリペアを活用すれば大丈夫。キズの補修も含めてシートを取り外しての作業になる。
このように内装パーツの劣化はリペアを活用するのがお勧めなのだが、少しでも長持ちさせるための予防策をとっておくことも重要。内装パーツが劣化してしまうのは熱や紫外線によるところが大きい。これらを少しでも避けることが、結果的に内装パーツの長持ちに繋がるのである。とくに気温が高くなるこの時期は、サンシェードやカーカバーを使って内装を保護することは有効な手段。天井パネルやシートだけでなく、ウッドパネルの色褪せやクリアの割れなども抑制できる。

フロントシートのサイドサポートについたレザーシートの擦れキズ。乗員の乗り降りが多い場所だけにとくにキズつきやすい部分だ。ここもリペアを活用すれば新品のような仕上がりまで再生できる。

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