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【スペシャルインタビュー】整備の現場で戦う敏腕メカニック

日々クルマと向き合うメカニックから聞いた、整備の現状やちょっと役立つ裏話をまとめたスペシャルインタビュー。第1回目のゲストは東京都江東区にある輸入車専門修理工場バイブリンゲン代表の伊藤良一さんです。

目次

バイブリンゲンは輸入車専門の修理工場ということもあり、とくにドイツ車においては豊富な経験と知識、そして重整備を難なくこなす高い技術を持っているところである。その代表を務める伊藤さんは、大のクルマ好きで、これまでたくさんのドイツ車を乗り継いできたフリークである。

今乗っている愛車は?

「2015年式のアウディA1です。元々、キビキビと走るクルマが好きなんですけど、今乗っているA1は1ℓの排気量でも低中速域なら不満のない走りで気に入っています。高速道路ではさすがに非力さは感じるものの、踏み込めば速度は出せますし、高速安定性も高いです。コンパクトカーというと、豪華な装備や居住性など日本車が有利という側面もありますが、やはり、走りはドイツ車。A1に乗っているとパワーはなくてもドイツ車らしい安定性、安心感をドライバーに与えてくれます」

これまで伊藤さんはたくさんのドイツ車に乗ってきたかと思いますが、その中で印象に残っているクルマはありますか?

「メルセデス・ベンツW202ベースのAMG C36ですね。足回りがよく出来ていて重心も低い。今となってはすごく速いというわけではありませんが、当時としては光っていたクルマです。じつは、このクルマ、今も保管してあるんです。ドライブが楽しめる時期が来たら復活させたいと思っています」

メカニックとしてのポリシーを教えてください。

「現代のクルマはコンピュータ診断機を使ってエラーが出たところを交換するといった作業が基本です。ただ、昔ながらの修理というのは、分解してでも直せるものは直すというスタンスでした。当店では今でもそれを理念としていて、高額なパーツであればあるほど直したいという思いがあります。
例えば、メルセデス・ベンツW204/W212などに搭載されているナビなどの操作を手元で行なえるコマンドコントローラーってありますよね。これが上下左右・決定はできるのに、グルグル回すダイヤルのみ反応しない症状が出たら、内部にあるシャフトが折れている可能性が極めて高いです。そこで当社が開発したのがオリジナルのシャフトです。アルミの削り出しでサビにも強いアルマイト加工を施してあります。これを使えば、部品をまるごと交換するのではなく、ダメになったシャフトのみを交換できるので、修理費用を抑えることができます。
クルマが新しくなるほどこうした分解修理をできる部分は少なくなっていますが、一度はトライしてみる、ということを心がけていますね。もちろん、交換することがベストだという結論が出れば、それ以上のことはできませんが、自分の知識を高める経験としても日々探求しています」

最後に、最近のドイツ車に多いトラブルは?

「近年のドイツ車は高度な電子制御を搭載していますので、センサー関連の不良で警告灯が点灯することが多いですね。ただ、警告灯が点灯したからといって大きなトラブルというわけではないので、そこは焦らず馴染みの修理工場に連絡して判断を仰ぐようにするといいと思います。
最近多いというか、気温が高い時期に多く発生していると感じるのがスピードセンサーの不良。ドイツ車においては全メーカーに共通するポイントです。症状としては警告灯が点灯したり、電動パワーステアリングを搭載しているクルマだと、パワステが利かなくなったりします。こういった症状が出たら要注意ですね。
近年のドイツ車の付き合い方としては、いつもと違うと感じたらすぐに点検することです。意外に自分の直感も大事で、ちょっとやばいかも、と思ったら無理をせずに安全な場所にクルマをとめて、メカニックに相談するという習慣を心がけておけば路上で止まってしまうということも避けられます」

メカニックに直接相談できる特設サイトはコチラ

取材協力 バイブリンゲン
https://waiblingen.co.jp/

バイブリンゲンの代表である伊藤良一さん。現行型の輸入車整備も非常に多いため、最新のコンピュータ診断機も積極的に導入。加えて、古めの輸入車整備も得意な敏腕メカニックである。
エンジンのオーバーホールといった重整備も得意としている。またオーバーホールではなく、リビルド対応も可能。
旋盤や溶接機など、工作機械も充実しているため、加工装着なども得意としている。
バイブリンゲンのオリジナルパーツであるコマンドコントローラー対策シャフト。メルセデスW204やW212に多いコマンドコントローラーの不良をリーズナブルに直すことができる。

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