Renault

【ルノー電装エラー表示】突然の警告灯に惑わされないために

〜最近増えているルノーの電装系トラブル、原因と対処の実例〜

目次

「走行中に突如現れる“エレクトリックフォルト”の表示」「メーター内のスパナマークが点灯して消えない」「警告音とともに‘Check ESP’や‘Injection Fault’の表示が…」——。
近年、Renault(ルノー)車両における“電装エラー表示”に関するご相談が増加傾向にあります。

こうしたエラー表示の多くは一過性の電圧変動や接触不良に起因するケースが多い一方で、放置すると走行不能に陥る深刻なトラブルの前兆であることも。特にルーテシア、カングー、キャプチャーなどのモデルにおいて、バッテリー関連やCAN通信異常を起因とする事例が多く確認されています。

【ケース1|ルーテシア IV(2018年式)】

オーナー様の証言:「エンジン始動後に‘Check Injection’と表示。エンストこそしないがアイドリングが不安定で、加速時にもギクシャクした感じがある」

▶整備工場での診断結果:
・スキャンツールにて**DTC「DF001 – メインリレーフォルト」**を確認
・ヒューズBOX裏での接点腐食、メインリレーの抵抗値異常を検出
リレー交換+ハーネス洗浄で改善

このモデルでは、雨水の侵入や経年劣化でリレーが誤動作し、ECUが自己保護的にエラー表示を出すことがあるため、早期の点検が重要です。

主な原因 内容 対応策
バッテリー電圧の低下 一時的な電圧低下で通信が不安定になり、エラーが出る 高性能バッテリーへの交換・充電系統の点検
コネクターの接触不良 湿気や経年で接点に腐食 → センサーやリレー誤作動 ハーネス点検・清掃、防水処理
CAN通信異常 ECU間通信エラーで誤表示。特に走行中に多い 通信ライン点検、異常ノイズ源の特定
社外パーツの干渉 アクセサリー電源や社外ドラレコなどがノイズを発生 接続見直し、電源取り出し元の変更

1. 急な表示でも慌てず、エラー内容を確認


最近のルノー車は簡易的な自己診断機能を持っており、エンジン再始動やバッテリー電圧の安定化で警告が消えることもあります。
ただし、警告が再発する/複数表示される/走行中に点灯する場合は、専門の診断機器によるチェックが必要です。

2. DIYよりも専門店での確認を


電装トラブルは一見すると軽症でも、ECU・BCM(ボディ制御モジュール)などの高価な電子部品に影響を及ぼす可能性があります。
未然に防ぐには、輸入車に対応したテスターと知識を持つ整備工場での診断が最適です。

「点いたり消えたりするだけだから…」「一時的な表示だろう」と軽く見てしまいがちな電装系エラー。
しかし、それが致命的なECU故障や走行不能につながるケースもあります。

部品情報

部品名 対応車種例 備考
メインリレー ルーテシアIV/カングー 純正・社外ともに可
ヒューズBOX(エンジンルーム内) カングーⅡ 配線込みのASSY交換が必要な場合あり
バッテリー(AGM推奨) 全車種 交換時コーディング要

※あくまで一例です。部品の年式適合や在庫状況によって変動があります。

 

部品情報

パーツ情報:最新動向

1. 再製造パーツの広がりと信頼性

ルノーのFlins工場を中心とした「THE REMAKERS」プロジェクトでは、数多くの部品が再製造化されており、外観・性能・耐久性ともに新品同等とされています。サステナブルかつ信頼性の高い選択肢として、実際の整備現場でも採用が進んでいます。

2. 循環資源活用によるパーツ供給の変化

ルノーの「The Future Is NEUTRAL」では、車両1台あたりの素材循環率を大きく高め、将来的にはバッテリー内部資源(リチウム、ニッケル、コバルト等)のリサイクルも標準化される見込みです。これにより、EV部品に対する保守コスト・供給安定性の向上も期待されています。

3. 電動車向けの次世代パーツと診断の接点

例えば、Renault 5 E‑Techに搭載予定の先進LEDライトや通信可能なECU部品は、外部サプライヤーとの共同開発によってOTA(Over-the-Air)診断・更新にも対応予定。今後の整備現場では、単なる交換にとどまらず、**「ソフトウェア更新と連動する部品管理」**が必要になっていく可能性も。

部品情報

パーツ選びのポイント:

  1. 再製造パーツを積極活用:サステナブルでコストもお得。

  2. EV専用高機能パーツ:信頼できるサプライヤー製品の選定が安心。

  3. ソフトウェア対応部品:診断・更新に対応した最新世代部品がおすすめ。

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