Renault

Renault車によくある「イグニッション系トラブル・ECU誤作動」の実態と対策

― 突然のエンスト、始動不良…その原因は“制御系の誤作動”かもしれません ―

目次

ルノー車、とくにトゥインゴやカングー、ルーテシアなどにおいて、エンジン始動時の不安定さや突然のエンストといった声が寄せられることがあります。特に以下のようなケースは、ドライバーにとっても不安要素となります:

  • 一度で始動できない(数回クランキングが必要)

  • アイドリング中に突然ストールする

  • シフト操作後に警告灯が点灯し、再始動できない

  • 特に雨天・湿気の高い日などに発生しやすい

これらのトラブル、実は「イグニッション系統」や「ECU(エンジンコントロールユニット)」の誤作動が関係しているケースが少なくありません。

1)イグニッションコイル・プラグの劣化

ルノー車の純正イグニッションコイルは、日本の気候環境では熱による劣化が早まる傾向があります。特に10万kmを超える個体や、定期的に点検していない場合は注意が必要です。

2)ECU内の接点不良/電源ライン断続

特定車種でみられるECUコネクタ内の端子接触不良や、電源電圧の低下による誤動作も散見されます。とくにバッテリーが弱っていると、冷間始動時に誤作動を起こすことがあります。

3)クランク角センサー・カムセンサーの信号飛び

始動直後にエンストする症状では、回転信号が正しく拾えていないことが原因のことも。ECUが正しく燃料噴射・点火制御を行えないため、エンジンが一瞬で止まってしまいます。

当ネットワークに寄せられた整備現場での報告事例から、具体的な対応例をいくつかご紹介します:

事例①:ルーテシア 1.2L(2015年式)

【症状】始動直後に警告灯点灯、再始動不能
【診断】ECU内の電源ライン断線。イグニッションリレー交換とハーネス修理を実施。
【結果】修理後は安定。再発なし。

事例②:カングーⅡ 1.6L(2013年式)

【症状】雨の日だけ始動不良
【診断】イグニッションコイルからのリークと判明。全数交換およびスパークプラグも新品へ。
【結果】交換後、問題なく始動。ECU側への影響もなし。

  1. 2年または3万kmごとの点検を推奨
     – 点火系は早めの交換が費用対効果◎

  2. エラー履歴の読み出し(OBD診断)
     – 警告灯が消えていても、履歴にエラーが残っていることあり

  3. 社外部品でも実績ある整備ネットワークの選定を
     – ECU再学習や初期化作業まで対応できる工場を選びましょう

部品情報

交換が検討される主な部品例

部品名 備考
イグニッションコイル 社外品でも信頼性の高い製品あり
スパークプラグ(イリジウム系) 純正指定品または実績ある適合品が推奨される
クランク角センサー ECUとの信号整合や取り付け位置の確認が必要
ECU本体(再プログラム) ディーラーや専用機器を保有する整備工場での対応が必要

この記事をシェアしよう!

この記事が気に入ったらいいね!しよう

Maintenance Lab Archiveの最新記事をお届けします

BACK TO LIST