電動格納不良の原因と対処法ガイド
「ドアミラーが格納しない」「格納はするが戻らない」──そんな症状に心当たりはありませんか?
Renault(ルノー)車における電動ドアミラーの不具合は、比較的よくあるトラブルのひとつです。今回は、メカニズムの基本構造から、具体的な故障事例、対処方法までを解説します。部品供給の実態や、実際の修理事例も含めてご紹介しますので、Renaultオーナーの方はぜひ最後までご覧ください。
目次
電動ドアミラーの仕組みとは?
ルノーに限らず、現代の多くの輸入車は電動格納式のドアミラーを標準装備しています。主に次のような要素で構成されています。
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モーター:ミラーの格納/復帰動作を制御
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スイッチ/車両ECU:操作信号を送る中枢
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ヒューズ/リレー:電源制御
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ミラー本体内のギア構造/スプリング:動作の物理的駆動部
これらのいずれかに不具合が生じると、ミラーが動かない・途中で止まる・異音がするといった症状が現れます。
よくある不具合パターンとその背景
1. 格納はするが、戻らない(片側のみ)
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主な原因:内部ギアの破損 or モーター固着
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対象車種例:カングー、メガーヌ、ルーテシア
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整備現場の声:「ミラーの戻りが悪い場合、モーターごと交換が多い」
2. 運転席側だけ動かない
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主な原因:ミラー側のモーター断線 or ドア内部ハーネス損傷
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チェック方法:助手席側と信号比較 → 異常がなければ配線またはミラーユニットが怪しい
3. 両側とも動かない/時々しか動かない
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主な原因:ヒューズ切れ、ECUの接触不良、スイッチの劣化
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注意点:まれにドアロック連動設定の誤作動によるケースも
部品供給状況と交換の実態
ルノーのミラーユニットは、ドアミラーASSY(モーター・ハウジング・鏡含む)での供給が基本です。モーター単体での部品供給はあまりなく、不具合がある場合はユニットごとの交換になるケースが多いです。
その他にも以下のような部品が関係します:
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ミラーカバー:色付きカバーの有無で選定が異なる
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配線ハーネス:ドア内で断線・接触不良を起こすことがあるため、交換されることも
実際の修理事例【整備ネットワークより】
ケース1:ルーテシアⅣ(2016年式)
症状:助手席側ミラーが格納はするが戻らない
診断結果:ミラー内モーターの駆動不良(内部ギア摩耗)
対応:ドアミラーASSY交換(塗装済品を事前手配)
ケース2:カングーⅡ(2013年式)
症状:両側とも作動せず、スイッチを押しても無反応
診断結果:ヒューズ切れ+ドアスイッチ端子の腐食
対応:ヒューズ交換+スイッチ端子清掃&接点復活処理
自分でできるチェックポイント3選
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ヒューズボックスの確認
→ ヒューズ切れや緩みは初心者でも確認可能 -
ドアミラースイッチ操作感
→「押してもクリック感がない」「沈んだまま戻らない」場合はスイッチ不良のサイン -
車検証記載の“型式”を控えておく
→ 部品の特定や問い合わせ時に必須。電話やネットでの相談がスムーズに
修理前に知っておきたいアドバイス
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中古ミラーの流用には注意:型式や仕様違いによる通信エラーの可能性あり
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社外品の適合確認を慎重に:ECUとの通信不良で格納が効かない場合も
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保証の有無を確認:正規ディーラーや専門整備工場での作業は保証対応があることが多い
最後に
ルノーのドアミラー電動格納不良は、構造的な要因により「一式交換」になることも少なくありません。しかし、早期発見・正確な診断によって、修理コストやダウンタイムを抑えることは十分可能です。