~本当に「いいオイル」とは何か?輸入車オーナーのための再確認ガイド~
「どのエンジンオイルが高性能なの?」「オイル交換ってどこでやれば安心?」
輸入車オーナー同士の会話で、こんな話題が出たことはありませんか?
確かに、エンジンオイルは定期的に交換するごく基本的なメンテナンス項目の一つです。ですがその一方で、「どのオイルを選ぶか」は、愛車の寿命やコンディションに直接関わる非常に重要な判断でもあります。
今回は改めて、“オイル選びの本質”を一緒に考えてみましょう。これを機に、ご自身のクルマへの向き合い方も見直すきっかけになるかもしれません。
目次
■ オイルに求められる5つの役割とは?
まず前提として、エンジンオイルは単なる「潤滑剤」ではありません。
以下の5つの重要な役割を担っています:
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潤滑(摩耗防止)
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冷却(熱の吸収と放散)
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防錆(内部パーツの保護)
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密封(燃焼室の圧縮保持)
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清浄(汚れ・スラッジの除去)
この中でも最も重要とされるのが潤滑性能。エンジン内の金属部品同士が接触するのを防ぎ、極薄の油膜によってスムーズな動きを保ちます。
油膜が切れた瞬間、金属部品は直接こすれ合い、焼き付きや破損といった致命的なトラブルへと繋がるのです。
■ 高いオイルと安いオイル、何が違うのか?
カー用品店やガソリンスタンドでは、1リットルあたり数百円の激安オイルから、1リットルで数千円する高性能オイルまで幅広く取り揃えられています。
では、その価格差は何に起因するのでしょうか?
答えは「油膜保持性能と耐熱性、そして清浄力」にあります。
高性能オイルは、化学合成によって精製され、極端な高温下でも安定した油膜を維持する処方が施されています。また、「ホットチューブテスト」などの過酷な試験によって、ピストン周辺に堆積するカーボンやスラッジの発生を最小限に抑える能力が評価されます。
逆に、評価の低いオイルでは高温時に油膜切れが起きやすく、エンジンの寿命を縮めてしまう可能性すらあるのです。
■ なぜ「プロショップでの交換」が安心なのか?
では、どこでオイル交換をすべきか。
答えは明白で、輸入車を知り尽くしたプロショップが最適です。
その理由は以下のとおりです:
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車種ごとの適合オイルを常備(規格・粘度・性質を熟知)
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季節や走行状況に合わせた最適な粘度選定
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古い車両に合わない“サラサラオイル”のリスク回避
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交換時にホースやパッキン、電装系の簡易点検も実施
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オイルの状態からコンディションを分析し、予防整備に貢献
また、高年式モデルの場合はコンピュータ診断による電装トラブルの予兆把握も可能です。
費用だけを見れば一見高く感じるかもしれませんが、それ以上に得られる安心感と確かな整備品質は、長い目で見れば大きなリターンと言えるでしょう。
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部品情報
フィルター交換も見逃せない。部品の選定は“信頼できる手”で
オイル交換時には、エンジンオイルフィルターの同時交換が基本中の基本。
長く使われたフィルターは目詰まりや性能低下を起こし、せっかく高品質なオイルを入れても、本来の性能を発揮できなくなります。
しかし、見落としがちなのが「フィルターの品質そのもの」。安価な社外品の中には、シール性やろ過性能にバラつきがあるものも存在します。プロショップで使用される純正または準純正フィルターは、車種ごとの仕様に最適化されているため、安心して任せられるのです。

部品情報
オイルの粘度選びを誤ると、愛車に深刻なダメージを招くことも
最近主流となっている“サラサラ”な低粘度オイル。燃費や出力を向上させる一方で、粘度の選定を誤ると深刻な副作用を招くリスクもあります。
とくに、2000年代以前に設計されたクラシックなエンジンには粘度のあるオイルが必要不可欠。低粘度オイルを入れてしまうと、オイルシールからのにじみや漏れが発生しやすくなります。
プロショップでは、製造年やエンジン設計に合わせたオイル提案がなされるため、旧車・クラシックカーオーナーにとって大きな安心材料になります。
ご自身の愛車に合った適切な粘度選定を、ぜひこの機会に見直してみてください。

部品情報
意外と多い、ゴムパーツの劣化。点検の積み重ねが“安心の走り”につながる
エンジン内部や周辺には、各所にゴム製のパッキンやシール材が使用されています。これらの部品は熱と経年劣化により硬化・ひび割れを起こしやすく、オイル漏れの温床にもなりがちです。
とくに走行距離が伸びた輸入車や、ガレージ保管であっても10年以上経過した車両では、こうしたパーツの劣化が見られることも少なくありません。プロショップでは、オイル交換と同時にこうした劣化部位の点検や交換提案を行うことが多く、定期的なチェックがトラブルの予防につながります。
