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輸入車のATに関連する実際のトラブル事例

輸入車のAT(オートマチックトランスミッション)に関連する実際のトラブル事例をいくつか紹介します。いずれも整備現場で頻発している典型例で、油温管理や定期的なATF交換の重要性を物語るものです。

目次

症状:

走行中に「ウィーン」「ゴロゴロ」といった異音が発生。変速はするが滑る感覚あり。

診断結果:

ATのフロントポンプに内蔵されている真鍮製のリングが摩耗・変形。
金属片がAT内部に混入し、クラッチディスクの一部が焼き付き始めていた。

修理内容:

  • トルクコンバータ交換
  • フロントポンプ対策品へ交換(真鍮→ベアリング)
  • 部分オーバーホール+ATF全量交換

費用:約40万円(部品+工賃)

症状:

ある日突然、Dレンジで走行中に3速固定(エマージェンシーモード)となり、メーターパネルに「トランスミッション異常」の警告。

診断結果:

バルブボディ内のソレノイドバルブ不良。
長期間ATFを交換していなかったため、スラッジの蓄積がソレノイドの動作不良を引き起こしたと推定。

修理内容:

  • バルブボディAssy交換
  • ソレノイド交換
  • ATF+フィルター交換

費用:約25万円(BMWディーラーで対応)

症状:

2速から3速への変速時に「ガクッ」と大きなショック。変速は正常だが違和感が続く。

診断結果:

長年ATF未交換。内部クラッチの一部が摩耗し、油圧制御が不安定に。
電子制御バルブではなく、機械的摩耗によるものと判断。

修理内容:

  • リビルトATユニットへ交換(オーバーホール済品)
  • フルード・トルクコンバータ含め全交換

費用:約45万円(専門ショップで対応)

症状:

1速発進時に「ガクッ」と強いジャダー、特に信号待ちからの再発進時に顕著。

診断結果:

DSGのクラッチパックが摩耗し、温度が上がると制御しきれなくなる状態。
走行距離6万kmだが、ATF未交換。

修理内容:

  • クラッチパック交換
  • メカトロニクスユニット再学習
  • ATF交換

費用:約18万円(VW正規サービス工場)

症状:

1速から2速、または3速から4速への変速時に強い衝撃。「ドンッ」という感じのシフトショック。

診断結果:

バルブボディ内にあるK1スプリングが破損。変速時に油圧の制御が乱れ、ショックが発生。
また、ATFが黒ずんでおり長期間交換されていなかった。

修理内容:

  • バルブボディ分解洗浄+対策スプリング組み込み
  • ATFとフィルター交換(高性能タイプ使用)
  • メカトロニクス再学習

費用:約18万円(専門店で分解整備)

症状:

渋滞時の低速走行で、1速→2速のつながりが不自然。発進時にジャダー発生。

診断結果:

TCTクラッチが片摩耗しており、発進時のトルク伝達にムラがある。
また、クラッチアクチュエータ内のグリスが硬化し、スムーズに動作しなくなっていた。

修理内容:

  • クラッチパック交換
  • アクチュエータ分解清掃+グリスアップ
  • TCTユニット再学習(診断機使用)

費用:約20万円(アルファ専門チューニングショップ)

症状:

発進加速が鈍く、途中で回転だけ上がる。加速が滑って力強さがない。

診断結果:

ATF劣化とクラッチパック摩耗が進行。冷間時は正常だが、温まると滑りが発生。
油温センサーの読み取り異常もあり、適正な制御ができていなかった。

修理内容:

  • クラッチパック交換(分解オーバーホール)
  • センサー交換
  • ATF全量交換+油路洗浄
  • ソフトウェアアップデート

費用:約38万円(ジャガー専門整備工場)

これらの事例に共通して言えるのは:

  • 長期ATF未交換車両でトラブルが多発
  • クラッチやバルブボディ関連の部品が弱点
  • 社外パーツや対策品の導入で再発防止が可能
  • 専門店での診断・整備が高い精度と信頼につながる

あなたのAT、今のままで大丈夫ですか?

愛車の走りを支えるAT。
見えないところで劣化が進んでいるかもしれません。

正しい知識と適切な対策で、安心・快適なカーライフをこれからも長く楽しんでいきましょう。

 

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